新規事業は「その道のプロ」とやる
新規事業をやるならば、人材の半分くらいは「その道のプロ」を迎えるのがいいと思います。 例えば、ユーザベースが病院事業を始めるとしたら、必ず確保すべきは医者や看護師ですよね。弁護士事業を始めるとしたら、同様に、弁護士を確保するでしょう。それくらい専門性が高いと、「その道のプロ」を確保しなければならないと分かります。 でも、そこまで専門性が高くない事業になると、なぜか自社の社員だけでやろうとしてしまう。それではうまくいきません。参入する業界に合わせて「その業界のプロ」が必要なのです。 そしてもう一つ、「その道のプロ」として必要な人材がいます。「新規事業のプロ」です。「新規事業のプロ」とは、新規事業を何度も手掛けた経験のある人です。 もしあなたの会社が車屋さんであったなら、会社には、車のプロがたくさんいると思います。だから車屋として存在し得るのだと思います。車のプロがいない車屋は、考えられないと思います。 新規事業も同じです。新規事業なのだから、新規事業のプロがいた方がいいのです。 また、新規事業のプロには、企業文化の壁を突破する時に矢面に立ってもらう役割も、お願いした方がいいと思っています。 大企業の中にいる社員本人が、「会社を変えるんだ」と上(経営陣)に向かって矢を放っても、ロクなことはありません。それは僕のような新規事業の専門家に矢を放たせればいいんです。 新規事業をやるあなたが倒れてしまったら、そこで終わりです。だから、あなたが半沢直樹になるのではなく、半沢直樹を外から雇うのです。 もちろん、大企業は簡単には変わりません。雇った半沢直樹の意見が受け入れられず、倒れることになるかもしれません。 そうなったら、また新たに外部から「半沢直樹2」を雇えばいいのです。そして何回でも同じ話をトップに聞かせる。それを繰り返して、屍が重なっていったら、いつの日か景色が変わる瞬間がくるかもしれないのです。 ある日、トップがどこかのエライ先生が、「半沢直樹3」と同じことを語っているのを目にして、さも自分の意見かのように、新規事業の重要性について語り始める瞬間が来たりするかもしれません(笑)
守屋実(元エムアウト)
https://newspicks.com/news/6416983/body/