page icon

『完全メシ』by日清食品

企業・事業概要

企業名日清食品株式会社
ビジョン食足世平、食創為世、美健賢食
所在地東京都新宿区新宿6-28-1
代表者安藤 徳隆
設立2008年10月1日
資本金50億
会社URLhttps://www.nissin.com/jp/about/nissinfoods/
事業URLhttps://www.nissin.com/jp/products/series/kanzenmeshi/#nissinfoods
参考・記事https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1417004.html

事業内容

完全メシ

「栄養とおいしさのバランスが完全であることを、『完全メシ』というブランド名で表現しました。厚生労働省が定めた日本人の食事摂取基準で設定されている33種類の栄養素をバランスよく摂取できるだけでなく、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素のバランスがパーフェクト。さらに、おいしさにこだわり抜いているのもポイントです。栄養素を摂取できる食品は色々と販売されていますが、『味はイマイチ』というイメージをお持ちの方が多いと思います。さらにドリンクやシリアルバーのような商品が多く、食事と呼べるものは意外と少ない。そこで我々はおいしさと栄養バランスが整った食品を目指し、開発を進めた。

解決すべき課題

課題①今は飽食の時代

「日清食品は1958年に創業しました。当時は戦後間もない頃で国民の栄養不足が問題になっていたため『手軽でおいしく、安価で安全な食べ物』としてチキンラーメンを開発したんです。対して、今は飽食の時代です。オーバーカロリーにより肥満を引き起こし、世界では20億人以上が過体重や肥満というデータがあるほど栄養過多の問題が顕在化しています。世界での肥満による経済損失を換算すると2兆ドル以上になるというショッキングなデータもあるほどです。一方、ダイエットによるカロリー制限で栄養不足になるという問題もあります。そういった“栄養バランスの偏り”に起因する課題を解決したい、と考えました」
 
注目は3つの成長戦略テーマの1つとして、新規事業の推進を掲げていること。フードサイエンスとの共創による“未来の食”だという。「未来の食というと代替肉や昆虫食など地球環境のサステナビリティー(持続可能性)のイメージが強いが、今回は飽食による健康悪化の解決がターゲット」

ターゲット層

健康は意識するものの我慢したくない人へ

ガマンを強いられる食生活の改善は長続きしないものです。しかし、普段の食事を「完全メシ」に置き換えるだけで、行動変容を起こさずに必要な栄養素をバランス良く摂ることができる。日清食品は、あらゆる人の食生活に自然と入り込んでいけるような商品づくり
 

提供価値

①33種類の栄養素とおいしさの完全バランス

厚生労働省が定めた日本人の食事摂取基準で設定されている33種類の栄養素をバランスよく摂取できるだけでなく、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素のバランスがパーフェクト。さらに、おいしさにこだわり抜いているのもポイントです。
一般的なカレーライスは日本人の食事摂取基準で設定されている33項目の栄養素のうち24項目が過多もしくは不足しているのに対し、おいしい完全食はカロリーが約半分で33項目の栄養素を全て充足しているという
 

②管理栄養士の9割が推薦

栄養素がバランス良く入っているだけでなく、おいしさへのこだわりも実食により体感することができました。さらに、完全メシは、管理栄養士のお墨付きをもらっているそうです。
同社が実施した臨床試験のデータ。体重は男性被験者62人中46人が減少、体脂肪率は20%以上の男性被験者32人中20人が減少、BMIは25kg/m2以上の男性被験者18人中13人が減少。血圧はSBP(収縮期血圧)130mmHg以上かつ/またはDBP(拡張期血圧)80mmHg以上の被験者13人中10人がDBP低下、中性脂肪は男性被験者62人中37人で減少

③シーンに合わせて選べる充実のラインナップ

商品ラインナップについては、シーンに合わせて選べることも意識している。仕事が忙しくて食事が偏りがちな人、健康的にダイエットしたい人、体を鍛えたい人など、それぞれにマッチする商品が必ずある。今後も商品群を増やすことで、完全メシを活用できるシーンも広げていく。

既存技術の転用でスピード変わらず完全メシを製造

普通なら時間がかかると思いますが、日清食品にはこれまで即席麺で培ってきたさまざまな技術があるので、それを完全メシの技術に応用することができた。今までの経営資源を結集させたからこそ、このスピードで完全メシをつくることができたと思っている。

事業展開

人工知能を用いた定期宅配

おいしい完全食を、定期宅配やコンビニ、スーパー、社員食堂など、さまざまなルートで展開していく。そのために、まずは伊藤忠商事の社員に提供する試験的取り組みを21年5月から始め、100人規模の実証実験を経て1000人規模の事業に拡大。定期宅配は21年度下期にスタートし、パーソナライズ化を見据えてAI(人工知能)開発のPreferred Networks(東京・千代田)と共同で栄養素と健康状態の関係を解析する技術の開発も開始する。
 

事業展開事例

➀未病対策の街づくり

両備ホールディングス(岡山市)が同市で進めている再開発事業で「未病対策の街づくり」をテーマとした共同事業も開始するなど、街レベルでのサービス提供まで見据えている。

➁フードデザートの解決

将来的には安価で入手しやすい「カップヌードル」の完全栄養化により、世界的な社会問題になっている「フードデザート」(「食の砂漠」という意味で、貧困や食料品店へのアクセスの困難さなどが健康被害の拡大につながる問題)の解決にも挑戦していきたいという。

➂「未来の食」の成長ロードマップ

「未来の食」の成長ロードマップと投資方針。おいしい完全食の普及とパーソナルヘルスレコードのプラットフォーム化、食のパーソナライズ化を見据えている