人物概要
古里圭史は、飛騨信用組合の常勤理事として 電子地域通貨「さるぼぼコイン」 の仕掛け人を務めたイントラプレナーである。公認会計士・税理士の資格を持ち、フィラメントのCBA(チーフ・ビジネス・アーキテクト)、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の特任准教授も兼任する。
経歴
1979年生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社スクウェア・エニックスを経てデロイトトマツグループの監査法人に入所し、公認会計士としてのキャリアを積んだ。2012年10月、生まれ育った岐阜県飛騨・高山に Uターン し、飛騨信用組合に入組した。
エリートコンサルタントの職を捨てて地元に戻るという決断の背景には、少子高齢化が進む地域経済への危機感があった。金融機関の内側から地域を変えるため、 「育てる金融構想」 を掲げて従来の信用組合の枠を超える取り組みを開始した。
主な実績
2017年、スマートフォンを使った静的QRコード決済の電子地域通貨 「さるぼぼコイン」 をローンチ。日本円と等価の電子通貨として設計し、飛騨地方の伝統的なお守り人形「さるぼぼ」をモチーフに採用した。ローンチから4年でユーザー数・加盟店数ともに 地域シェア40%超 に成長させた。
さるぼぼコインに先駆け、クラウドファンディングや地域キャピタル会社の設立にも取り組み、新しい金融手法による資金供給の仕組みを構築した。中国のAlipayとの提携も実現し、インバウンド観光客の決済インフラとしての機能も備えた。
2021年にはフィラメントのCBAに就任し、地域金融の知見を全国の企業に展開。非営利株式会社eumoにも参画し、 共感資本社会 の実現に向けた活動を続ける。
思想とアプローチ
古里は 「お金の地産地消」 という概念を掲げ、地域内で資金が循環する仕組みの構築を追求する。「敵をつくらず味方を増やす」をモットーに、地域の事業者・自治体・住民を巻き込みながら、対立ではなく共創で変革を進めるスタイルが特徴である。
「金融サービスは利益追求だけではなく、しっかりと地域に価値を生み出すものでなければならない」