人物概要
吉澤有(よしざわ ゆう)は、株式会社テレビ東京のビジネス開発局において コミュニティ事業部長 を務める人物である。豊島区公認のメタバース「 池袋ミラーワールド 」の事業責任者として、放送局が持つコンテンツ制作力と地域企業のリアルな事業基盤を掛け合わせた 地域共創型メタバース事業 を牽引している。
約20社の企業が運営体として参画する池袋ミラーワールドでは、バーチャルとリアルを融合させた街づくりを通じて、地域活性化と放送局の新たな収益モデルの両立に挑む。
経歴
テレビ東京に入社後、多様なメディアビジネスに携わってきた。入社後の配属はインターネット部門で、 iモード時代 の有料Webサイトコンテンツの開発を手がけた。その後、子会社のテレビ東京ブロードバンドに立ち上げメンバーとして異動し、 モバイルコンテンツ配信 を約4年間担当した。
コンテンツ事業部門へ移った後は、オンラインコンテンツを多メディアに展開する 権利ビジネス(ライツビジネス) を推進。さらに、地方の特産品を活用したEC事業の立ち上げなど、テレビ放送の枠を超えた 地域創生×コマース事業 に取り組んできた。
2020年3月に開業した複合イベントビル「 Mixalive TOKYO 」(豊島区東池袋)を拠点とした番組『田村淳が豊島区池袋』の制作を通じて地域との関係性を構築。この経験が、2021年の池袋ミラーワールド始動の土台となった。
主な実績
2021年3月、テレビ東京は 10社の企業 とともに「池袋ミラーワールド」をオープン。吉澤はプロジェクトの事業責任者として、バーチャル空間に「もう一つの池袋」を構築し、リアルの街と連動させる 前例のないメタバース事業 を立ち上げた。
参画企業にはeiicon company、クレディセゾン、サンシャインシティ、GMOメイクショップ、西武池袋本店、大日本印刷、テレビ東京ダイレクト、電通、東武鉄道、山口不動産が名を連ねた。その後も参画企業は拡大し、現在は 約20社 が運営体として関わっている。
2021年9月には、池袋ミラーワールド内にEC機能「 テレ東Xショップ 」をオープン。放送局がメタバース空間でコマース事業を展開する 業界初の試み として注目された。「池袋文化祭」「テレ東夏フェス」などの季節イベントも定期的に開催し、NTTドコモとの連携やドコモショップの期間限定設置など、異業種コラボレーションを積極的に展開している。
2023年2月には、新社会システム総合研究所主催のセミナー「 テレビ×メタバースによる新規事業 」に登壇し、地域メタバースと共創ビジネスの可能性について講演を行った。
思想とアプローチ
吉澤の事業アプローチの特徴は、 「放送局×地域×メタバース」の三位一体構造 にある。多くのメタバース事業がテクノロジー先行で実需が伴わない課題を抱えるなか、池袋ミラーワールドは実在の街と連動することで、地元企業にとっての 実ビジネスの場 としての価値を生み出している。
テレビ東京特有の「 ニッチ戦略 」もここで発揮されている。大規模なメタバースプラットフォームとは一線を画し、池袋という特定の地域に特化することで、コミュニティの密度と参加者のエンゲージメントを高めた。放送局としてのコンテンツ力を活かしつつ、「 街のメディア 」としての新たなポジションを確立する試みである。