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制度・プログラム事例

KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)

アクセラレーター 運営中
制度・プログラム概要
運営企業
KDDI
種別
アクセラレーター
開始年
2011年
状態
運営中
主な成果
Gunosy , giftee , SORACOM
公式サイト
www.kddi.com/open-innovation-program

History & Evolution

2011

「KDDI ∞ Labo」開始

国内事業会社初のインキュベーションプログラムとして発足。

2012

「KDDI Open Innovation Fund」設立

CVCファンドを設立し、資金面での支援体制も強化。

2014

「パートナー連合」開始

KDDI単独ではなく、他業種の大手企業と連携して支援する体制へ移行。

2018

「事業共創プラットフォーム」へ進化

3ヶ月のプログラム形式から、通年でマッチングを行うプラットフォーム形式へ。

2024

「MUGENLABO UNIVERSE」開始

宇宙領域に特化したプログラムを開始し、地球規模の課題解決へ。

概要

KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)は、KDDI2011年という国内でも極めて早い時期 に開始したスタートアップ支援プログラムである。「日本から世界へ」をスローガンに掲げ、日本のオープンイノベーションの象徴的な存在として知られる。

最大の特徴は、KDDI 1社だけでなく、 「パートナー連合」 として多様な業界の大企業数十社が参画している点だ。通信、鉄道、建設、メーカー、不動産など、あらゆるアセットを持つ大企業群が連携してスタートアップを支援するエコシステムを構築している。

詳細

「ムゲンラボ」の進化は、日本のオープンイノベーションの深化と重なる。

第1期〜第6期:インキュベーション期

初期は、GoogleやFacebookがシリコンバレーで行っていたような、純粋な「インキュベーション(事業育成)」が中心であった。渋谷ヒカリエにオフィスを提供し、メンタリングを通じてサービス開発を支援した。「giftee」などはこの時期の卒業生である。

「パートナー連合」へのピボット

「通信キャリアだけでは支援に限界がある」 そう痛感したKDDIは、2014年頃から他業種の大手企業を巻き込む「パートナー連合」へと大きく舵を切った。これは、自社で囲い込むのではなく、 「スタートアップのために、競合他社とも手を組む」 というエコシステム優先の決断であった。 現在では、建設会社が現場を、鉄道会社が駅を実証実験の場として提供するなど、リアルなアセットを持つ大企業ならではの支援が可能になっている。

成功事例:「SORACOM」のスイイングバイIPO

IoTプラットフォームの「SORACOM(ソラコム)」は、KDDIグループにおけるオープンイノベーションの最大級の成功事例である。 創業間もない時期に「KDDI Open Innovation Fund」から出資を受け、その後KDDIグループに参画(連結子会社化)。しかし、大企業の一部品として埋没するのではなく、創業メンバーが経営権を持ったまま、KDDIの資金と通信インフラをテコにしてグローバル展開を加速させた。 玉川憲社長(ソラコム)はこれを「スイングバイIPO」と呼び、大企業の重力を利用してさらに遠くへ飛ぶ(上場する)モデルを示した。これは、M&Aがゴール(Exit)ではなく、新たな成長のスタートであることを証明した画期的な事例である。

MUGENLABO UNIVERSE:宇宙への挑戦

現在は「地球規模の課題解決」をテーマに掲げ、宇宙領域などのディープテック支援にも注力している。「MUGENLABO UNIVERSE」では、宇宙空間を模したデジタル環境(デジタルISS)や、将来的な「月面5G」構想など、KDDIならではの通信技術を武器に、宇宙スタートアップの障壁を下げている。

学べること

  • 「自前主義」の限界を認める: KDDIほどの巨大企業でも、1社のアセットだけではスタートアップを十分に支援できないと判断し、競合になりうる企業すら巻き込んで「連合」を作った判断は英断である。
  • 継続こそ力なり: ブームに乗って始めてすぐ辞める企業が多い中、10年以上継続していることが最大のアセットになっている。
  • 「場」の提供者になる: 自社がプレイヤーになるだけでなく、イノベーションが起こる「場(プラットフォーム)」の提供者になることで、エコシステムの中心に座ることができる。
  • EXITの多様化: 「SORACOM」の事例は、大企業によるM&Aが「起業家の終わりの始まり」ではなく、「さらなる成長エンジンの獲得」になり得ることを示した。

関連リンク

成功の鍵

1

「1社」から「連合」への転換

当初はKDDI単独のインキュベーションだったが、2014年頃から「パートナー連合」構想を打ち出した。KDDIの通信アセットだけでなく、他社のリアルの場(鉄道、不動産)や製造設備を提供可能にしたことで、支援できるスタートアップの幅が劇的に広がった。

2

「出資(CVC)」と「事業支援」の両輪

プログラムと並行して「KDDI Open Innovation Fund」を運営している。ムゲンラボで事業を磨き、ファンドで出資し、auの経済圏でグロースさせるという一気通貫の支援体制が整っている。

3

歴史が作る「信頼資本」

2011年から継続している実績が、スタートアップからの絶大な信頼に繋がっている。「ムゲンラボ採択」という事実自体が、スタートアップにとってのステータス(箔)となり、その後の採用や提携を有利にする。

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