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事業事例

北海道ガス、8年続く自社アクセラレーターに加え「Hokkaido F Village X(HFX)」参画とファンド出資を決定

事業・会社概要
事業会社
北海道ガス株式会社
業界
エネルギー・生活インフラ
サービスサイト
www.hokkaido-gas.co.jp
コーポレートサイト
www.hokkaido-gas.co.jp

History & Evolution

2018

KITAGAS SMART LIFE ACCELERATOR開始

北海道ガスが自社で運営するアクセラレータープログラムを開始。約3ヶ月のPoC期間を設定し、地元スタートアップとの共創を進める

2025-03

Hokkaido F Village X(HFX)始動

スクラムベンチャーズ・スクラムスタジオが企画・運営し、北海道ボールパークFビレッジを拠点とするグローバルアクセラレーションプログラムが始動

2025-08

HFX第1期採択発表

世界29カ国から310社が応募し、国内1社・海外10社の計11社を採択

2026-02

HFX第1期成果発表会

ヤマトホールディングス・東急不動産・ファイターズ スポーツ&エンターテインメント・北広島市との事業共創成果を発表

2026-08-21

北海道ガスがHFXへパートナー参画、ファンドにも出資

「Hokkaido F Village X」へのパートナー参画と「Scrum Hokkaido Fund I, LP」への出資を同時発表

課題・背景:自社アクセラレーターの先にある壁

北海道ガス株式会社 は、2018年から自社アクセラレータープログラム「 KITAGAS SMART LIFE ACCELERATOR 」を運営してきた企業である。約3ヶ月間のPoC(概念実証)期間を設定し、地元スタートアップと共創する仕組みを8年近く続けてきた実績がある。

同プログラムでは、モバイルバッテリーシェアリング「GREEN UTILITY」、家具サブスクリプション×IoTインテリア「KITA LIFE STYLE」、体験シェアリング「アウタビ北海道」など、複数の共創事例を生んできた。実務チームに意思決定権を持たせ、営業サポートや設置場所の交渉まで担う。数字だけでなく「人と人」で動く支援だ。

だが自社完結型のプログラムには構造的な限界もある。応募が集まる母集団は、どうしても地元・国内中心になりやすい。8年続く実績を持つ企業であっても、グローバルな規模でのスタートアップ探索は別の仕組みを必要とする。

取り組みの経緯:HFX参画とファンド出資の決定

北海道ガスは 2026年8月21日 、経営計画「 Challenge 2030 」のもとで、グローバルアクセラレーションプログラム「 Hokkaido F Village X(HFX) 」へのパートナー参画と、「 Scrum Hokkaido Fund I, LP 」への出資を同時に発表した。

今回「HFX」への参画およびファンド出資により、世界最先端のトレンドを取り入れ、当社の持つお客さま基盤や設備・施設と、国内外スタートアップが有する技術を掛け合わせた事業共創を加速させてまいります。 ―― 北海道ガス株式会社 ニュースリリースより(出典

HFXは スクラムベンチャーズスクラムスタジオ株式会社 が企画・運営するプログラムで、北海道ボールパークFビレッジを拠点に、Fighters Sports & Entertainmentが運営パートナーを務める。北海道ガスが持つ自社プログラムとは運営主体も規模も異なる、外部のグローバル拠点への参画である。

サービス・事業の仕組み:実証フィールドと二正面の共創

北海道ガスが掲げる参画目的は3点ある。お客さまの安全・快適な暮らしを支える新サービスの創出地域の脱炭素化に資する先進技術の導入 、そして デジタル技術を用いた現場業務の高度化 である。いずれもKITAGAS SMART LIFE ACCELERATORが手がけてきた領域の延長線上にありながら、対象とするスタートアップの母集団はHFXを通じて世界規模に広がる。

HFXの拠点は年間数百万人規模の来場者を集める北海道ボールパークFビレッジ。実際の来場者・施設環境を、そのまま実証フィールドとして使える。北海道ガスにとっては、自社プログラムが担う「地元での深い伴走」と、HFXが担う「グローバルな案件発掘」、そしてファンド出資が担う「プログラムの選考対象にならない案件へのアクセス」という 三層構造 が生まれることになる。

成果と現状:HFX第1期の実績とキックオフウィーク

HFXの第1期(2025年)では、世界 29カ国から310社 が応募し、国内1社・海外10社の計 11社 が採択された。約半年間で 10件の事業共創 が実現している。パートナー企業にはヤマトホールディングス・東急不動産・ファイターズ スポーツ&エンターテインメントなどが名を連ね、2026年6月には日本ハムもパートナーとして加わった。

北海道ガスの参画発表から4日後の 2026年8月25日から4日間 、「HFX Kickoff Week」が開催される。第2期採択スタートアップを北海道に招き、現地視察やパートナー企業との面談が実施される予定で、8月26日のメディアセッションには北海道ガスも参加する見込みである。第2期の共創実績はこれから積み上がる段階にあり、現時点で成果を評価するには時期尚早と言える。

この事例から学べること

北海道ガスの事例が示すのは、「自社プログラムか外部プラットフォームか」という二者択一で考える必要はない、という点である。自社プログラムの実績(採択数・共創数)だけで新規事業のKPIを完結させてしまうと、母集団の狭さそのものに気づきにくくなる

「地元の深い伴走」と「グローバルな規模」は代替関係ではなく補完関係にある。加えて、アクセラレーターへのパートナー参画だけでなくファンドへの出資まで踏み込めば、プログラムの選考を通らなかった案件にもアクセスできる経路が生まれる。自社に何年も続くオープンイノベーション制度を持つ企業ほど、「もう十分やっている」という手応えを一度疑ってみる価値がある。

関連項目

参考文献・出典

成功の鍵

1

自社プログラムと外部プラットフォームの役割分担

KITAGAS SMART LIFE ACCELERATORが地元スタートアップとの深い伴走を担う一方、HFXは世界29カ国から応募が集まる規模でグローバルな新規シーズにアクセスする窓口となる

2

ファンド出資によるプログラム外の案件フローへの接続

アクセラレーター参画にとどまらず「Scrum Hokkaido Fund I, LP」へ出資することで、プログラムの選考対象にならない案件にもアクセスできる経路を確保した

3

経営計画に紐づいた3つの具体目的

新サービス創出・地域の脱炭素化に資する先進技術導入・デジタル技術による現場業務の高度化という3つの目的を経営計画「Challenge 2030」のもとで明示した

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