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事業事例

スリープテック事業 ― NTT東日本の若手発案から生まれた睡眠ビジネス

東日本電信電話株式会社
ヘルスケア / 通信 #スリープテック #健康経営 #コミュニティ #若手発案
事業・会社概要
事業会社
東日本電信電話株式会社
業界
ヘルスケア / 通信
開始年
2022年
代表者
尾形哲平(NTT東日本 ZAKONEディレクター)
サービスサイト
www.nttdxpn.co.jp/sleep

History & Evolution

2021

社内イントレプレナー制度で睡眠テーマが採択

NTT東日本のビジネスイノベーション本部で若手社員の尾形哲平が睡眠事業を起案。

2022

ブレインスリープとパートナーシップ締結、ZAKONE発足

NTT DXパートナーが「睡眠偏差値for Biz」の代理店契約を締結。企業間コミュニティ「ZAKONE」を設立。

2023

個人向けコミュニティ「ZAKONE LAB」開設

8月23日に日本初の個人向け睡眠改善実践型コミュニティをオープン。

2025

ZAKONE参画企業が200社超に

発足から約3年で企業間コミュニティへの参画企業が200社を超える見通し。

課題・背景

日本人の平均睡眠時間はOECD加盟国の中で 最下位の水準 にあり、睡眠不足による経済損失は年間15兆円とも試算されている。企業においても、従業員の睡眠の質は生産性やメンタルヘルスに直結する重大な経営課題であるが、「睡眠」を定量的に可視化し、組織的に改善する手段はほとんど存在しなかった。

NTT東日本にとっても、通信インフラ事業の成熟に伴い 新たな収益の柱 の構築が急務であった。固定通信の需要が頭打ちとなる中で、ICT技術を活用した非通信領域への進出が経営戦略上の課題となっていた。

取り組みの経緯

事業の起点は、NTT東日本ビジネスイノベーション本部の 若手社員・尾形哲平 の発案であった。社内のイントレプレナー(社内起業家)プログラムに応募し、約20人のメンバーで4チームに分かれてアイデアを検討する中で、「睡眠」をテーマに選んだ。

尾形は当初、仮眠からの最適な覚醒を促すプロダクトを構想していた。その過程で、スタンフォード大学で30年以上にわたり睡眠を研究する西野精治教授が創業した ブレインスリープ と接点を持った。ブレインスリープ側もスリープテック事業のICTパートナーを探しており、両者の思惑が一致した。

2022年6月、NTT東日本の子会社である NTT DXパートナー がブレインスリープの健康経営支援サービス「睡眠偏差値for Biz」の代理店契約を締結し、同時にNTT東日本とともにスリープテック事業の推進を開始した。同年9月には、異業種企業が睡眠をテーマに共創するコミュニティ 「ZAKONE」 を立ち上げた。

サービス概要

スリープテック事業は3つの柱で構成される。

1つ目は 「睡眠偏差値for Biz」 の法人向け販売である。従業員が25問の設問に回答することで、睡眠の質・睡眠障害リスク・日中の眠気・生産性・ストレスを数値化する。企業は組織単位で睡眠データを可視化し、健康経営の施策立案に活用できる。

2つ目は、ウェアラブルデバイス 「ブレインスリープ コイン」 を活用した睡眠計測である。睡眠スコア・睡眠サイクル・入眠時間・寝姿勢・いびき・寝床内温度などの詳細データを計測し、個人レベルでの睡眠改善を支援する。

3つ目が 「ZAKONE」コミュニティ の運営である。ZAKONEは、異業種からのスリープテック事業参入を促し、共創を促進するための企業間コミュニティである。2023年8月には個人向けの 「ZAKONE LAB」 も開設し、「学ぶ、試す、測る。そして睡眠を楽しむ」をコンセプトに据えた。

成果と現状

ZAKONEは発足から約2年で 152社が参画 し、2025年春には200社を超える見通しである。NTT東日本は「2025年度に売上高で 10億円規模 に成長させたい」という目標を掲げている。

NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(ラグビーチーム)との連携では、ブレインスリープコインを活用した選手の睡眠改善サポートも検証されており、スポーツ分野への展開も進行中である。通信企業が「睡眠」という全く異なる領域で急速に事業を立ち上げた事例として、業界内外から注目を集めている。

この事例から学べること

第一に、若手社員の「原体験」から生まれた事業は、トップダウンの戦略事業とは異なる強さを持つという点である。 尾形の発案は、トップが描いた中期経営計画の延長線上にはなかった。しかし、社内起業家制度を通じて事業化の機会を得たことで、個人の情熱と会社のリソースが結合した。

第二に、「コミュニティ戦略」は市場が未成熟な段階で最も有効な参入戦略であるという教訓である。 スリープテック市場はまだ黎明期にある。自社製品の販売に注力するのではなく、ZAKONEという場を設けて異業種企業を巻き込むことで、市場の拡大そのものをリードするポジションを確立した。コミュニティが大きくなるほど、NTT東日本の事業機会も拡大する構造である。

第三に、「代理店モデル」から始める新規事業参入の合理性である。 NTT東日本は自社で睡眠計測デバイスを開発したわけではない。ブレインスリープの製品・サービスを代理店として販売することから始め、実績とノウハウを蓄積しながら事業領域を拡大した。自前主義にこだわらず、最速で市場に出る選択をした。

関連項目

成功の鍵

1

若手社員の原体験を起点にした事業創出

トップダウンではなく、社内イントレプレナー制度を通じた若手発案が事業化に至った典型例。

2

コミュニティ戦略による市場形成

自社だけで製品を売るのではなく、異業種企業を巻き込む「ZAKONE」というコミュニティで市場そのものを創出した。

3

通信インフラ企業の信頼性を活かした横展開

NTT東日本という通信インフラ企業のブランドが、健康経営サービスの法人営業における信頼の担保となった。

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