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事業会社

学研ホールディングス

学研ホールディングス ロゴ

Gakken Holdings Co., Ltd.

「戦後の復興は教育をおいてほかにない」という創業精神のもと、教育・出版から医療福祉・EdTechまで事業領域を拡張し、80周年を機に社内外共創型の新規事業コンテストを開催する総合教育企業。

企業概要
企業名
学研ホールディングス
業種
教育 / 出版 / EdTech / 医療福祉
所在地
東京都品川区
創業
1946年
公式サイト
ghd.gakken.co.jp

新規事業の歴史

History & Evolution

1946

学習研究社として創業

古岡秀人が「戦後の復興は教育をおいてほかにない」という信念のもと設立。学習雑誌の刊行を開始。

1963

「○年の科学」創刊

1957年に前身「たのしい科学」を創刊、1963年に付録付きの「○年の科学」として本格始動。「○年の学習」と合わせ、ピーク時の1979年には12誌合算で月販670万部を記録。

1980

学研教室 開校

算数・数学と国語からスタートした個別指導教室。現在は国内約15,000教室を展開。

2004

学研ココファン設立

教育企業として初めて高齢者住宅事業に参入。サービス付き高齢者向け住宅のパイオニアとなる。

2009

持株会社体制へ移行

学習研究社から学研ホールディングスに社名変更。グループ経営体制を本格化。

2021

Gakken LEAP設立・CVC投資開始

デジタル新会社設立とCVC「Gakken Capital」立ち上げ。EdTech・CareTech領域のオープンイノベーションを加速。

2025

創業80周年・新規事業コンテスト開催

社内外共創型のビジネスコンテストを開催。新法人設立・社長就任・ストックオプション設計が可能な本格的プログラム。

【歴史】「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」:古岡秀人の信念

学研グループの原点は、1946年(昭和21年)に 古岡秀人 が創業した学習研究社にある。終戦直後の焦土の中で「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」という信念を掲げ、子どもたちの学びを支える出版事業を興した。

「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」

――古岡秀人、学研グループ創業者

創業と同時に『小学三年の学習』から『小学六年の学習』までを創刊。翌年には『中学コース』を刊行し、戦後日本の教育復興に大きく貢献した。出版物を通じて「学ぶ喜び」を届けるという姿勢は、以降80年にわたるグループの基盤となる。

1. 『○年の科学』と『○年の学習』:月販670万部の衝撃

1946年に『○年の学習』が創刊され、1957年には科学系雑誌の前身『たのしい科学』を刊行。1963年に付録付きの 『○年の科学』 として本格始動した。付録の実験キットを通じて子どもたちに科学の面白さを体感させるという「立体編集」の手法は画期的だった。1979年には『科学』と『学習』12誌合算でピーク時の月販670万部を記録し、日本の科学教育における金字塔を打ち立てた。

2. 学研教室:個別指導の全国展開

1980年に開校した 学研教室 は、算数・数学と国語を中心とした個別指導の学習塾として出発した。1988年にはIT活用の個別指導塾「学研CAIスクール」を開設するなど、早い段階からテクノロジーの活用に着手している。現在は国内約15,000教室を展開し、海外でも7カ国100教室に拠点を広げている。

3. 持株会社体制への移行

2009年、学習研究社は 学研ホールディングス に社名を変更し、持株会社体制へ移行した。出版事業の構造的な縮小に直面する中、グループ全体での事業ポートフォリオ再編を加速させるための経営判断であった。この移行が、教育・出版に留まらない多角化戦略の基盤を築くことになる。

【戦略】教育企業の枠を超える:3つの成長エンジン

学研グループの戦略的な独自性は、教育という祖業を軸にしながらも、医療福祉EdTechグローバル という3つの成長エンジンで事業領域を大胆に拡張している点にある。

1. 医療福祉事業:教育企業が挑んだ「0→1」

2004年に設立された 学研ココファン は、教育企業が高齢者住宅事業に参入するという異例の挑戦だった。「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のパイオニア」として、北海道から九州まで200箇所・10,000居室を超える住宅を運営している。

グループ全体では全国36都道府県で 572拠点 を運営し、2030年9月期までに 1,000拠点への倍増 を計画している。教育で培った「人の成長を支える」というノウハウを、人生の後半に応用するという発想は、学研ならではの事業創造といえる。

「自分は何が好きなのかと考えたとき、それは世のため人のためになることだと」

――学研の高齢者住宅事業の立役者

2. EdTech・デジタル戦略:Gakken LEAPの挑戦

2021年12月、学研は中期経営計画「Gakken2023」の成長戦略として、デジタル新会社 Gakken LEAP を設立した。EdTechに代表される次世代ビジネスの創出を目的に、2025年までに200億円規模のデジタル投資 を掲げている。

これに先立つ2021年1月には CVC「Gakken Innovation-Tech Fund(Gakken Capital)」 を立ち上げ、EdTech・CareTech領域のスタートアップを対象に 総額30億円規模 の投資を開始した。Gakken LEAPは先端のITアーキテクトやエンジニアをチームアップし、国内外のスタートアップとの協業を通じて教育の次世代サービスを開発する。

さらに、グローバル・ブレイン8号ファンドにも参加し、米国・東南アジア・欧州・イスラエルのスタートアップとの接点を広げている。教育コンテンツという「ソフト」の強みと、外部スタートアップの「テック」を掛け合わせるオープンイノベーション戦略を推進している。

3. グローバル展開:2030年に海外40万人へ

学研は2030年までに 海外の学研教室の会員数を40万人規模 に拡大する目標を掲げている。国内の会員数を上回る規模だ。東南アジアを中心に、マレーシア、ベトナム、ミャンマーなど7カ国で教室を展開し、学研の強みである 科学実験教室 など独自の教科で差別化を図る。経済成長と人口増加が続く南アジア・東南アジア市場で、日本発の教育サービスのグローバルスタンダード化を目指している。

【キーパーソン】宮原博昭:V字回復を主導した経営者

2010年に社長に就任した 宮原博昭 は、学研グループのV字回復を主導した。防衛大学校出身という異色の経歴を持ち、「失敗は滅亡、徹底的に考え尽くす」という信条のもと、5つの代案を常に用意する「5×4×3×2×1」方式で戦略を練る。

宮原の経営の最大の特徴は 「グループイン」型M&A にある。企業買収を「征服」ではなく「仲間として迎える」と定義し、赤字企業を再建しながらグループに統合する手法を確立した。この戦略により 15期連続増収 を達成。2025年9月期には過去最高の売上高を更新している。

「いつか来た道に戻らないために」挑戦し続けることが大切だと宮原は説く。

――日経ビジネス「学研・宮原社長」インタビューより要約

【新規事業】80周年記念ビジネスコンテスト:社内外共創の挑戦

2025年、創業80周年を迎えた学研グループは記念プロジェクトとして 新規事業コンテスト を開催した。正式名称は「Gakken New Business Contest A Leader? or Followers? ~一歩踏み出した者が、チャンスを掴む。~」。

テーマは 「無限大(∞)」 で、業界・分野を問わない。最大の特徴は、社員だけでなく外部からも応募を受け付ける 共創型 の設計にある。個人・法人・チーム・学生など、国籍・年齢・職業を問わず誰でも参加が可能だ。

審査基準は 革新性、事業の必要性、収益性 の3軸。通過者にはブラッシュアッププログラムが提供され、最終的には 新法人設立・社長就任が可能 で、ストックオプション も設計できるという本格的なインセンティブが用意されている。

選考スケジュールは以下の通りである。

  • 2025年6月〜9月: 起案期間
  • 2025年10月: 一次選考(書類選考)
  • 2025年11月〜2026年1月: ブラッシュアッププログラム
  • 2026年2〜3月: 二次選考(プレゼン)
  • 2026年3月31日: 最終選考(ピッチイベント)

起案パターンには、学研グループ社員による 自主起案 と、外部からアイデアを起案し学研社員とマッチングする 一般起案 の2種類がある。大企業の新規事業制度としては、社外への門戸開放と経営権の付与という点で先進的な設計といえる。

【成功と失敗】教育企業の事業創造から学べること

成功の構造: 学研の多角化戦略が成功した最大の要因は、「教育」という祖業の本質を 「人の可能性を引き出す」 と再定義し、その延長線上に医療福祉やEdTechを位置付けた点にある。高齢者住宅事業も、学研教室のグローバル展開も、根底にあるのは「学びを通じた人の成長支援」という一貫した哲学だ。

失敗からの学び: 2000年代の出版不況では、祖業である学習雑誌の部数が大幅に減少した。『学習』は2009年冬号、『科学』は2010年3月号をもって休刊に追い込まれている。紙媒体への依存からの脱却が遅れた反省は、Gakken LEAPの設立や200億円規模のデジタル投資という 攻めのDX戦略 に直結している。

【展望】「Gakken2027」と次の80年

中期経営計画 「Gakken2027~Value UP~」 では、2027年9月期に売上高2,150億円、営業利益95億円を目標に掲げている。教育・医療福祉という社会インフラ領域で安定した収益基盤を確保しつつ、EdTech・グローバル・新規事業という成長ドライバーで企業価値の向上を図る構えだ。

古岡秀人が掲げた「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」という信念は、80年の時を経て、デジタル、医療福祉、グローバルという新たな領域で再解釈され続けている。80周年ビジネスコンテストに象徴されるように、学研は社内外の挑戦者に門戸を開き、次の80年に向けた 新たな事業創造の仕組みづくり に踏み出している。

関連項目

成功の鍵

1

Gakken LEAP(デジタル新会社)

EdTech領域の次世代ビジネス創出を目的に設立。200億円規模のデジタル投資で先端技術を活用したサービス開発を推進。

2

CVC投資(Gakken Capital)

EdTech・CareTech領域のスタートアップへ30億円規模の投資。グローバル・ブレインとも連携しオープンイノベーションを加速。

3

80周年ビジネスコンテスト

社員・外部の垣根を越えた共創型の新規事業コンテスト。起案者が新法人の社長に就任できるインセンティブ設計。

4

グループイン型M&A

「征服しないM&A」を標榜。赤字企業を仲間として迎え入れ再建する独自手法で15期連続増収を達成。

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