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事業会社

太平洋工業

PACIFIC INDUSTRIAL CO., LTD.

岐阜県大垣市に本社を置く自動車部品メーカー。生産過程で生じるウレタン端材から防災マット「MATOMAT」を生み出し、アップサイクル型の新規事業として全国展開を進めている。

企業概要
企業名
太平洋工業
業種
自動車部品
所在地
岐阜県大垣市
創業
1930年
公式サイト
www.pacific-ind.co.jp

企業概要

太平洋工業株式会社は、1930年に岐阜県大垣市で創業した 自動車部品メーカー である。タイヤバルブ(国内シェア95%)、バルブコア、日本国内唯一のタイヤ空気圧監視システム(TPMS)メーカーとして知られる。自動車部品という既存事業の強みを活かしながら、生産工程で生じる 廃材を活用したアップサイクル型の新規事業 に挑戦している。

新規事業への取り組み

太平洋工業は、自動車部品の製造過程で発生する ウレタン端材の再利用 という着想から新規事業を立ち上げた。本来は廃棄されるはずの端材を粉砕・再成形することで、防災マットという新製品を生み出している。

新規事業開発にあたっては、外部の 新規事業開発プログラム を活用した。製造業の既存事業とは異なるマーケティングや事業設計のノウハウを外部から取り入れることで、アイデアの事業化を加速させている。

製品化においては、地元企業や 福祉事業所との連携 により製造工程を構築しており、地域経済への貢献と障がい者雇用の創出も実現している。自社の廃材問題の解決、防災課題への貢献、地域との協業という 三方良しの構造 が同事業の特徴である。

主な新規事業・事例

MATOMAT(マトマット)

MATOMAT は、太平洋工業の生産工程で発生するウレタン端材を粉砕・固形化し、カバーを装着して製品化した防災マットである。普段は学校の椅子用クッションとして使用し、災害時にはつなげて 避難所の防災マット として活用できる「フェーズフリー」設計を採用している。

フェーズフリーとは、日常時と非常時の 両方で価値を発揮する 製品設計の考え方であり、MATOMATはフェーズフリー認証も取得している。平時は教室で使い、有事にはマットになるという二重の機能が、自治体や教育機関からの支持を集めている。

導入実績

大垣市立静里小学校での実証実験を経て、 中部国際空港(セントレア) に約250枚が導入された。空港という公共性の高い施設への採用は、MATOMATの品質と防災性能が認められた証左である。

MATOMATは2024年に 「超モノづくり部品大賞」健康福祉部門 を受賞しており、製造業の技術力と社会課題解決を両立させた製品として高い評価を得ている。

アプローチと特徴

太平洋工業のアプローチは、 自社の「負」を事業機会に転換する 点にある。多くの製造業にとって廃材処理はコストであるが、太平洋工業はこれを原材料として捉え直すことで、環境負荷の低減と新たな収益源の創出を同時に実現した。

地方の中堅製造業が 地域密着型のアップサイクルビジネス を構築するモデルとしても注目に値する。福祉事業所との協業による製造、小学校での実証実験、地元自治体との連携など、地域のステークホルダーを巻き込んだ事業設計は、大都市圏のスタートアップとは異なる新規事業の形を示している。

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