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事業会社

スマイルズ

スマイルズ ロゴ

Smiles Co., Ltd.

「世の中の体温をあげる」を理念に掲げる企業。三菱商事初の社内ベンチャーとして設立され、その後「Soup Stock Tokyo」などのブランドを展開。遠山正道によるMBOを経て独立し、新しいライフスタイル事業を次々と創出する。

企業概要
企業名
スマイルズ
業種
飲食・ライフスタイル・プロデュース
所在地
東京都目黒区
創業
2000年
公式サイト
www.smiles.co.jp

新規事業の歴史

History & Evolution

1999

三菱商事社内でSoup Stock Tokyo構想

遠山正道氏が社内ベンチャー制度を活用し、スープ専門店の1号店をお台場に出店。

2000

スマイルズ設立

三菱商事初の社内ベンチャーとして株式会社スマイルズを法人化。

2008

遠山正道MBO(三菱商事から独立)

マネジメント・バイアウトにより三菱商事から完全独立し、経営の自由を獲得。

2012

giraffe/PASS THE BATON展開

ネクタイブランドやセレクトリサイクルショップなど多角的ブランドを展開。

2020

100本のスプーン等マルチブランド化

子ども向けレストランなど複数ブランドを擁するライフスタイル企業に成長。

概要:「世の中の体温をあげる」を体現する事業創造集団

スマイルズは、三菱商事初の社内ベンチャーとして誕生し、Soup Stock Tokyoを筆頭に独自のライフスタイルブランドを展開する企業である。創業者の遠山正道氏が掲げた**「世の中の体温をあげる」**という理念のもと、飲食・ネクタイ・リサイクル・ファミリーレストランなど、一見脈絡のない多角的な事業を「生活の豊かさ」という軸で貫いている。

「ビジネスは”損得”じゃなくて”好き嫌い”で始めるべきだと思うんです。自分が心から好きだと思えるものを世の中に出す。そうすれば、共感してくれる人が必ず現れる」

――遠山正道、スマイルズ創業者

2000年の設立から20年以上にわたり、大企業発ベンチャーが長期的に独立・成長し続けることの稀有な成功事例として、日本のイントレプレナーシップ史に名を刻んでいる。

誕生の経緯:三菱商事の社内ベンチャー第1号

スマイルズの起源は、1990年代後半の三菱商事に遡る。当時、情報産業グループに所属していた遠山正道氏は、「体にも心にもやさしい食のファストフード」というコンセプトでスープ専門店の事業計画書を起案した。

総合商社という巨大組織の中で、飲食店の起業を提案するのは異例中の異例だった。しかし遠山氏は、三菱商事の社内ベンチャー制度を活用し、1999年にSoup Stock Tokyoの1号店をお台場に出店。これが三菱商事初のコーポレートベンチャーとなった。

「三菱商事の中でスープ屋をやるなんて、みんな正気じゃないと思ったでしょう。でも、当時の上司が『面白いからやってみろ』と言ってくれた。大企業にそういう”遊び”を許容する度量があったことが、すべての始まりだった」

――遠山正道、スマイルズ創業者

2000年に株式会社スマイルズとして法人化。Soup Stock Tokyoは「食べるスープ」という新しいカテゴリーを確立し、瞬く間に都市部のビジネスパーソンの間でカルト的な人気を獲得していった。

MBOによる独立:真の自律経営への転換

スマイルズの歴史における最大の転機は、2008年の**MBO(マネジメント・バイアウト)**による三菱商事からの完全独立である。遠山氏は自ら資金を調達し、三菱商事が保有するスマイルズの全株式を買い取った。

この決断の背景には、「世の中の体温をあげる」という理念を純粋に追求するための自由を手に入れたいという強い意志があった。大企業の傘下にいる限り、短期的な収益性や親会社の戦略との整合性が求められる。遠山氏は、自らの美意識と価値観に基づいた事業判断を完全に自律的に行うために、スピンアウトの究極の形であるMBOを選択したのだ。

事業展開:「共感」を軸にした多角化

MBO後のスマイルズは、Soup Stock Tokyoに加え、多彩なブランドを展開している。

  • Soup Stock Tokyo:「食べるスープ」のパイオニア。全国約60店舗を展開する看板事業
  • PASS THE BATON:セレクトリサイクルショップ。「人の想い」を次の人に渡すというコンセプト
  • giraffe:ネクタイ専門ブランド。ビジネスパーソンの「装う喜び」を提案
  • 100本のスプーン:子ども向けファミリーレストラン。「子どもこそ本物を」の思想

これらの事業に共通するのは、市場調査やトレンド分析から生まれたのではなく、遠山氏個人の「好き」「美しい」「正しい」という直感から始まっていることだ。この「個人の審美眼を事業にする」というアプローチは、論理的な市場分析を重視する大企業のセオリーとは対極にある。

スマイルズの成功が示すもの

スマイルズの四半世紀にわたる歩みは、大企業発ベンチャーに複数の重要な示唆を与えている。

第一に、「理念駆動型」の事業は強い。 Soup Stock Tokyoは徹底したブランディングにより、競合のスープ専門店が次々と撤退する中でも安定した成長を続けてきた。「世の中の体温をあげる」という抽象的な理念が、事業判断の一貫性とブランドへの信頼を生んでいる。

第二に、MBOという選択肢の有効性。 大企業発ベンチャーの多くは、親会社の事業再編や方針転換に翻弄される。遠山氏はMBOにより完全な経営自由を手に入れ、自らの美意識を妥協なく事業に反映し続けることができた。

「企業は”成長”のためだけに存在するのではない。自分たちが信じる美しさを世の中に表現し、それに共感してくれる人と一緒に豊かな時間を過ごす。それもまた、企業の存在意義だと思う」

――遠山正道、スマイルズ創業者

今後の展望

スマイルズは2025年、新たな経営体制のもとで次のフェーズに入っている。遠山氏が築いた**「好きを事業にする」「世の中の体温をあげる」という思想は、次世代のリーダーたちに受け継がれている。三菱商事という日本を代表する総合商社から生まれ、MBOで完全独立し、四半世紀以上にわたって独自の世界観を貫き続けるスマイルズは、コーポレートベンチャーの「その後」を描く最も力強いロールモデル**である。

関連項目

成功の鍵

1

「世の中の体温をあげる」

パーパス経営の先駆けとして、理念駆動型の事業判断を一貫して実践。

2

事業は自己表現

アート思考とビジネスを融合し、個人の審美眼から事業を創出。

3

マルチブランド戦略

飲食・ネクタイ・リサイクルなど多角的ブランドを「生活の豊かさ」で貫く。

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