ストリーモ
Striemo Inc.
Hondaの新規事業創出プログラム「IGNITION」から誕生したベンチャー企業。独自のバランスアシスト機構を備えた1人乗りの電動三輪マイクロモビリティ「Striemo」を開発・展開する。
企業概要
- 企業名
- ストリーモ
- 業種
- マイクロモビリティ
- 所在地
- 東京都港区
- 創業
- 2021年
- 公式サイト
- striemo.com
新規事業の歴史
History & Evolution
IGNITION応募
森庸太朗氏がHonda IGNITIONにマイクロモビリティ事業を提案。
ストリーモ設立
Honda IGNITIONからスピンアウトし、株式会社ストリーモとして独立。
製品プロトタイプ完成
バランスアシスト機構搭載の電動三輪モビリティの試作機が完成。
実証実験(観光地・ビジネス街)
観光地や大規模施設でのシェアリング実証実験を各地で実施。
概要:「立ったまま移動できる」次世代マイクロモビリティ
ストリーモ(Striemo)は、Hondaの新規事業創出プログラム**「IGNITION」から誕生したマイクロモビリティ・スタートアップである。独自のバランスアシスト機構**を備えた電動三輪パーソナルモビリティ「Striemo」を開発し、「歩行と乗り物の間」という新しい移動カテゴリーを創出しようとしている。
「キックボードでもない、自転車でもない。立ったまま安全に、誰でも乗れる。そんな”第三の移動手段”をつくりたかった」
代表の森庸太朗氏は、Hondaでロボティクスの研究に従事した経験を活かし、二足歩行ロボット「ASIMO」の技術思想を個人向けモビリティに転用するという発想で事業を構想した。
誕生の経緯:ASIMOの技術DNAを受け継ぐ発想
ストリーモの技術的ルーツは、Hondaが長年培ってきたロボティクスとバランス制御の技術資産にある。森氏はHondaの研究所でASIMOに代表される二足歩行ロボットの制御技術に携わり、人間の「立つ」「歩く」というバランス制御のメカニズムを深く理解していた。
この知見を**「乗り物のバランス制御」**に応用できないか。電動キックボードの普及が進む一方で、バランスを取ることへの恐怖心から乗れない人が多いという課題に着目した。Honda IGNITIONを通じて事業構想を練り上げ、2021年にスピンアウトして株式会社ストリーモを設立した。
Ashiraseに続くIGNITION発の法人化として、Hondaの新規事業創出プログラムの実効性を対外的に証明する存在となった。
製品の特長:バランスアシスト機構という革新
Striemoの最大の差別化ポイントは、独自のバランスアシスト機構にある。三輪構造にジャイロセンサーと制御システムを組み合わせ、乗車者が意識せずとも安定した直立姿勢を維持できる設計だ。
「電動キックボードは若者向けのイメージが強い。でも本当に移動手段が必要なのは、歩くのが少し辛くなってきた高齢者や、長距離を歩けない人々だ。その方々に安心して乗ってもらうために、“絶対に倒れない”という安全性が必要だった」
主な特長は以下の通りだ。
- 三輪構造 + バランスアシスト:停車時も倒れない安定性。高齢者や初心者でも安心して利用可能
- 立ち乗りスタイル:歩行者目線を維持したまま移動でき、歩道での利用にも適した速度帯
- コンパクト設計:折りたたみ可能で、電車やバスとのマルチモーダル移動にも対応
- Hondaの品質基準:モビリティメーカーとしての品質管理・安全基準を継承
規制環境への対応:特定小型原動機付自転車区分の活用
ストリーモの事業展開において追い風となったのが、2023年7月に施行された改正道路交通法による「特定小型原動機付自転車」区分の新設である。最高速度20km/h以下の電動モビリティが、16歳以上であれば免許不要で利用可能となった。
この法改正は電動キックボード市場に注目が集まりがちだが、ストリーモにとっても事業の法的基盤を整える好機となった。三輪構造による安定性と適切な速度帯を持つStriemoは、この新区分に最適化された設計であり、法制度と製品コンセプトが合致した稀有なケースである。
市場ポジションと戦略的意義
マイクロモビリティ市場は世界的に急成長しているが、多くの製品が若年層向けのレジャー用途に偏っている。ストリーモは「移動困難者の日常の足」という社会課題解決型のポジションを取ることで、電動キックボードとは異なる市場を開拓している。
「マイクロモビリティの市場は今、“速さ”や”クールさ”を競っている。しかし我々が向き合うべきは、明日も安全に外出できるかどうかを心配している人たちだ。Striemoは”安心の移動”という新しい価値軸を提示する」
Honda発のコーポレートベンチャーとして、量産技術・安全基準・ブランド信頼性というHondaの強みを活かしながら、大企業のスピード感では実現しにくいニッチ市場への素早い参入を実現している。これは、大企業のR&D資産を活用したスピンアウトの理想的な形といえる。
今後の展望
ストリーモは、個人向け販売に加え、観光地や大規模施設でのシェアリングサービスへの展開を進めている。空港・駅・ショッピングモールなど、「歩くには遠いが乗り物を使うほどではない」というラストワンマイル領域での需要は大きい。超高齢社会における移動の自由の確保という社会課題に、Hondaのロボティクス技術を原点とするスタートアップが正面から挑んでいる。
関連項目
成功の鍵
バランスアシスト機構
ASIMO由来のロボティクス制御技術を個人向けモビリティに転用。
インクルーシブ設計
高齢者や初心者でも安心して乗れる三輪構造と安全性を実現。
ラストワンマイル
歩行と乗り物の間という新カテゴリーで移動の隙間を埋める。
おすすめ書籍
IntraStar NEWS
新規事業の事例・セミナー情報・スタートアップの資金調達情報を
ほぼ毎週お届け。1,200名超のイントラプレナーが読んでいます。
Powered by Substack ・ いつでも配信停止できます


