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用語集

ローコード

ローコード(Low-Code) とは、最小限のプログラミングでアプリケーションやサービスを構築できる開発手法のことである。ドラッグ&ドロップによるUI構築と、必要な部分だけコードを記述するアプローチを組み合わせ、開発スピードとコストを大幅に削減する。

エンジニアリソースが限られる新規事業チームにとって、ローコードはMVP開発のボトルネックを解消する有力な選択肢である。以下では、ノーコードとの使い分け、ローコードに適したプロダクト類型、そしてスケールフェーズへの移行を見据えた活用法を解説する。


エンジニア不足でMVP開発が進まない

新規事業のMVPを作りたいが、社内の エンジニアリソースが確保できない。大企業では既存事業のシステム開発・保守が優先され、新規事業への技術リソースの配分は後回しにされがちである。外部に開発を委託すれば 数百万円の費用と数ヶ月の期間 がかかる。

結果として、MVPの開発が事業の最大のボトルネックとなり、 仮説検証のスピードが致命的に遅くなる。一方で、ノーコードツールだけでは複雑なビジネスロジックや外部API連携が実現できず、プロダクトの品質に限界が生じてしまう。

1,200万円の見積もりが150万円・6週間で実現した

ある大手メーカーの新規事業チームは、製造業向けのマッチングプラットフォームを企画した。社内IT部門に開発を依頼したところ「最短で8ヶ月後の着手」と言われた。外部ベンダーへの見積もりは1,200万円。

ノーコードツールで試作したが、受発注管理の複雑なロジックが実現できなかった。そこでローコードプラットフォームを採用し、基本的な画面はドラッグ&ドロップで構築、受発注ロジックだけを最小限のコーディングで実装した。費用は 150万円、期間は 6週間 でMVPが完成した。

ノーコードとの使い分けと活用の3原則

  1. ノーコードとローコードの使い分けを明確にする:単純なLP、アンケート、データ収集であればノーコードで十分である。一方、外部API連携、複雑なワークフロー、カスタムロジックが必要な場合はローコードを選択する。判断基準は「既存のテンプレートで80%以上カバーできるか」であり、できなければローコードが適している
  2. ローコードで検証し、スケール時にリビルドする:ローコードで作ったMVPは、PMF達成後のスケールフェーズで本格的なシステムに作り替えることを前提とする。最初から拡張性やパフォーマンスを追求するのではなく、仮説検証に必要十分な品質で素早くリリースすることを優先する
  3. 事業担当者がローコードスキルを身につける:エンジニアに依存せず、事業担当者自身がローコードツールを操作できるようになることで、仮説検証のサイクルが劇的に加速する。Bubble、Retool、AppSheetなどのツールは、プログラミング未経験者でも1〜2週間の学習で基本操作を習得できる

最適なツールを選定し2週間でMVPを作る手順

明日から実行すべきは、自社の新規事業で開発が必要な機能を全てリストアップし、「ノーコードで可能」「ローコードで可能」「フルスクラッチが必要」の 3段階で分類 することである。ローコードで実現可能な機能が全体の 60%以上 であれば、ローコード開発が有効な選択肢となる。

次に、主要なローコードプラットフォーム3つ(Bubble、Retool、OutSystems等)を1日ずつ触ってみて、自社のプロダクトに最も適したツールを選定する。その後、2週間でMVPのプロトタイプを作成する計画を立てる。

非エンジニアで仮説検証を加速させたい人へ

ローコードが特に有効なのは、エンジニアリソースが限られた新規事業チームや、 仮説検証のスピードを最優先 にしたいプロダクトマネージャーである。また、 非エンジニアの事業担当者 が自らプロトタイプを作って顧客に見せたいケースでも、ローコードは強力な武器となる。

一方で、リアルタイム処理や大量データ処理が必要なプロダクトには不向きであり、その場合はPoC段階からエンジニアの参画が必要となる。

検証フェーズからスケールへの移行も見据えよう

まずはノーコードとの違いを理解し、自社のプロダクトにどちらが適しているかを判断しよう。ローコードを選択した場合は、MVPの要件を「仮説検証に必要な最小限」に絞り込み、2〜4週間でのリリースを目標に設定する。

ローコードで構築したMVPを用いてPoCを実施し、顧客の反応を見ながらプロダクトの方向性を磨いていく。スケールフェーズで本格開発に移行する際のデータ移行計画も、あらかじめ考慮しておくことが望ましい。

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