人物概要
中馬和彦は、KDDIにおいてKDDI ∞ Laboを国内最大級の事業共創プラットフォームに育て上げ、 「スイングバイIPO」 という新たなスタートアップ成長モデルを確立したオープンイノベーションの旗手である。国内外 100社超 のスタートアップに投資し、KDDIの非通信事業の売上を 10年で約10倍 に拡大させる成長に貢献。2025年からはみずほフィナンシャルグループの執行役員CBDOとして、金融領域での新規事業創出に挑んでいる。
経歴
中馬は1996年に国際電信電話株式会社(現KDDI)に入社した。プロダクト企画畑を歩み、携帯電話「 INFOBAR」の開発やライフスタイルブランド「iida」、「au Smart Sports」など消費者向けプロダクトを数多く手がけた。2014年にはジュピターテレコムに出向し、「4K-STB」や「J:COM Mobile」の立ち上げ、ジュピターショップチャンネルの執行役員を経験している。
2018年4月にKDDI本体へ戻り、事業創造本部でKDDI ∞ LaboとCVCファンド「KDDI Open Innovation Fund」の統括を担った。社内プロダクト開発、グループ会社経営、オープンイノベーションという三つの異なる視座を持つことが中馬の強みである。2025年にはみずほフィナンシャルグループに活動の軸足を移し、CBDOとして金融領域での事業開発を統括している。
主な実績
最大の成果は、ソラコムの事例に象徴される「 スイングバイIPO」モデルの確立である。IoT通信プラットフォームを展開するソラコムは2017年にKDDIがM&Aし、KDDIの営業チャネルやコーポレート機能を活用してグローバル展開を加速。わずか4年でIDが 100倍、売上が 20倍 という急成長を遂げ、2024年に再上場を果たした。
「 イノベーティブ大企業ランキング」ではKDDIを7年連続1位に導いた。「新しい資本主義実現会議」スタートアップ育成分科会委員、経済産業省J-Startup推薦委員、東京大学大学院工学系研究科非常勤講師など、政策面や教育面でも幅広く活動している。
思想とアプローチ
中馬の思想を貫くのは 「ベンチャーファースト」 の原則である。大企業側の論理ではなく、スタートアップ側の成長を最優先に据える。KDDIが持つ通信インフラ、法人営業チャネル、ブランド力といったアセットは、あくまでスタートアップの成長を加速するためのリソースであるという位置づけだ。
「オープンイノベーションとは、新規事業をつくることです。それ以上でもそれ以下でもない」