人物概要
藤本宏樹は、住友生命保険において新規事業創出の「型」を確立したトップイントラプレナーである。健康増進型保険Vitalityの日本導入を推進し、CVCファンド「 SUMISEI INNOVATION FUND」を設立。生命保険を「金融商品」から「 Well-being as a Service(WaaS)」へと再定義するビジョンを掲げ、規制産業の内側からイノベーションを実現している。
経歴
藤本は1988年に東京大学経済学部を卒業後、住友生命保険に入社した。三重支社への配属を皮切りに、通商産業省(現・経済産業省)への出向、2005年の秘書室長、2007年の経営総務室長など、経営の中枢でキャリアを積んだ。
2013年にブランドコミュニケーション部長に就任し、「 1UP」プロモーションで ACCグランプリ 等の広告賞を受賞。ブランディングの経験を通じて「顧客体験」の重要性を深く理解した。2019年4月には新規ビジネス企画部を自ら立ち上げ、オープンイノベーションの推進役に転身。2020年11月にCVCファンドを設立し、事業共創責任者として外部スタートアップとの連携を加速させている。
主な実績
最大の功績は、南アフリカのDiscovery社が開発した健康増進プログラム Vitality の日本導入を推進したことである。ソフトバンクとの三社連携により、保険加入者が健康的な行動をとるほど保険料が割引される画期的な商品を実現。保険業界の常識を覆す CSV(共有価値の創造) モデルとして国内外で注目を集めた。
2020年設立の「SUMISEI INNOVATION FUND」では、スタートアップとの対等な共創関係を構築。自前主義を脱し、 WaaS 構想の実現に向けたデジタル保険ビジネスや地方創生事業など、生命保険の枠を超えた事業領域への拡張を進めている。
思想とアプローチ
藤本の思想の根幹にあるのは「 制約はチャンスである」という逆転の発想である。金融庁の厳格な規制という壁を「参入障壁であり、突破した際の優位性」と捉え直す。志(Will)を明確に言語化し、周囲の共感を得ることで反対勢力をサポーターに変えていく「 巻き込み力」が藤本のリーダーシップの本質である。
「制約条件があるからこそ、クリエイティビティが発揮される。ルールの中で誰よりもクリエイティブに振る舞うことが、プロフェッショナルの証だ」