人物概要
深田昌則は、パナソニック株式会社の社内アクセラレーター 「Game Changer Catapult」(GCC) を2016年に創設した人物である。1989年の入社以来、北米赴任やLUMIXの海外市場導入、五輪事業の実務責任者など グローバルな事業経験 を積み重ねてきた。GCCは8年間で約4,000名のチャレンジャーとサポーターのコミュニティを構築し、約200名の事業開発経験者「カタパリスト」を輩出した。老舗メーカーの内側から 新規事業創出の仕組み を作り上げた実践者として知られる。
経歴
1989年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、米国・カナダに赴任。AV機器の国際営業・宣伝責任者として LUMIXの海外市場導入 やハリウッド連携による全世界販促を手がけた。その後、五輪事業の実務責任者としてIOCや各大会組織委員会との契約交渉・事業活動を統括し、2010年よりカナダの市販部門責任者を務めた。
2016年、社員の内発的動機を起点に新規事業を生み出すプラットフォーム「Game Changer Catapult」を創設。2018年には米国ベンチャーキャピタルのScrum Venturesや株式会社INCJと合弁で事業開発会社 BeeEdge を設立し、取締役を兼務した。神戸大学経営学研究科卒(MBA)。
主な実績
GCC初回の2016年公募では約45件の提案が集まり、7テーマに絞り込んだ上で約半年間コンセプトとビジネスモデルを磨き上げた。その成果を SXSW 2017 で世界に向けて発表し、社内アイデアを世界最先端の場で検証する仕組みを確立した。SXSW出展は継続的に行われ、社外フィードバックを直接得ることで社内論理に偏りがちな評価基準を打破した。
出島戦略の実践としてBeeEdgeを設立し、パナソニック本体の意思決定プロセスに縛られない 俊敏な事業化スキーム を構築。「家電」の枠を超えたサービス型ビジネスの創出に道を拓いた。8年間で約4,000名規模のコミュニティを形成し、製造業における社内起業の先駆的モデルを確立した。
思想とアプローチ
深田が一貫して重視するのは 「共感力」 である。社員の内発的動機を開発のベースに据え、社会からの共感と社会課題の解決を掛け合わせて商品化を目指すアプローチを実践してきた。社内だけで完結させず、プロトタイプの段階から積極的に社外へ公開し、フィードバックを得ることを重視する。
「プロトタイプでもいいからプロセスをオープンにして、『こんなアイディアから生まれたモノ、どうですか?』と広く周りに見せると、必ず何かしらの反応があり、協力者が集まるきっかけにもなる」
また、大企業社員に求められる資質として 「アンラーン」(学び直し) の重要性を説く。過去の成功体験や既存事業の常識を一度手放し、変化する時代に適応する姿勢こそが、大企業からイノベーションを生む鍵だと考えている。