人物概要
小田島伸至は、ソニーグループのStartup Acceleration部門副部門長として、社内外の新規事業創出プログラム SSAP(Sony Startup Acceleration Program) を構想・立ち上げた人物である。北欧デンマークでゼロから約300億円規模のビジネスを創出した実体験を持ち、2014年に社長直轄組織としてSSAPを設立。22業種365件以上の新規事業を支援し、大企業における新規事業創出の仕組み化を実現した。
経歴
1978年埼玉県生まれ。2001年に東京大学工学部を卒業し、ソニーに入社。デバイス営業に配属された後、2007年から 北欧デンマーク に赴任。市場がゼロの状態から液晶ディスプレイ事業を立ち上げ、約3年で300億円規模のビジネスに成長させた。
2011年に帰国後、本社の経営戦略部門で社長スタッフとして中期計画や経営会議に携わる。その中で、若手・中堅社員のボトムアップによる新規事業創出を促進するプラットフォームを構想し、2014年に 社長直轄組織としてSSAP を設立した。現在はエニグモ(BUYMA運営、東証プライム上場)やM3とソニーの合弁会社Suprimeの社外取締役も務める。2016年には経済産業省主催の第2回日本ベンチャー大賞でイントラプレナー賞を受賞している。
主な実績
最大の実績は、SSAPを通じて 22業種365件以上の新規事業創出を支援 し、25件以上の事業化を達成したことである。SSAPからはMESH、REON POCKET、toioなど実際に市場に出た製品が多数生まれ、「大企業でも新しいプロダクトは作れる」ことを証明した。ステージゲート方式を導入し、アイデアからプロトタイプ、事業化判断、市場投入まで段階的に進める明確な評価基準を確立した。
2018年からは社外向け 「Sony Acceleration Platform」 の展開も開始。京セラとライオンとの共創で子ども向け音が出る歯ブラシ「Possi」を生み出し、LIXILの自動ドア開閉システム「DOAC」の支援も手がけるなど、ソニー内で培ったノウハウを社外にも有償で提供する事業モデルを確立した。
思想とアプローチ
小田島の思想の核心は、新規事業の成功には 「社会・会社・自分」の3つを同時に満足させる ことが不可欠だという信念にある。社会にとって価値があり、会社にとって意味があり、自分自身が情熱を持てる事業でなければ、大企業の中で長期間推進し続けることは難しいと説く。新規事業開発に必要な約30名の専門人材を、プログラム側の専門家で補完する仕組みを構築し、リーンスタートアップの手法を大企業の中で実践可能にした。
「新規事業の成功確率は『1000に3つ』と言われる。だからこそ、仕組みで成功確率を高める」