人物概要
及部 智仁は、事業共創スタジオquantumの共同創業者であり、会長を務める人物である。博報堂グループ内で社内起業としてquantumを立ち上げ、大企業の新規事業を「一緒につくる」スタンスで企画から事業化まで伴走する独自のモデルを確立した。東京科学大学(旧東京工業大学)特任教授 としてディープテック・スタートアップの創出研究にも従事し、JSTアントレプレナーシップ・アンバサダーとしても活動する。
経歴
及部は高松 充と共に、2016年にTBWA HAKUHODOからスピンオフする形でquantumを創業した。コンサルティングではなく 事業共創 という形で大企業の新規事業開発に関わるスタジオ型のビジネスモデルを構築し、デザイナーやエンジニアを内製で抱えて高速なMVP開発と市場検証を可能にする体制を整えた。
2017年にはスポーツデータと機械学習を専門とする SPORTS AI を創業し、サッカー予測AI「WARP」を事業化・売却した実績を持つ。2022年4月に高松の後任として代表取締役社長に就任し、quantumの経営を牽引。2025年4月には会長に退き、博報堂フェローとして博報堂グループのインキュベーション事業を支援する立場に移行した。
教育面では、東京科学大学イノベーションデザイン機構 の特任教授として大学発ディープテック・スタートアップの創出と起業家理論の研究に取り組んでいる。博報堂グループや京都大学の社内起業・起業家教育プログラムではメンター・審査員を歴任してきた。
主な実績
quantumの代表として、数多くの大企業との事業共創プロジェクト を推進した。特に カーブアウト支援 において、大企業内の技術やアイデアを独立した事業会社として切り出すプロセスに強みを持つ。リスクと成果を共有する共創モデルにより、机上の計画にとどまらない実行力ある新規事業創出を実現している。
書籍 『みんなのスタートアップスタジオ』 (日経BP、2023年)の日本語版監修・解説を担当し、スタートアップスタジオという事業創出モデルを日本に体系的に紹介した。JSTの アントレプレナーシップ・アンバサダー にも選出されており、起業家精神の普及にも貢献している。
思想とアプローチ
及部のアプローチは、「アドバイスする」のではなく 「一緒につくる」 という事業共創のスタンスに集約される。分析や戦略立案で終わるのではなく、プロダクトを実際に開発し顧客に届けるところまでを共に走ることで、大企業の新規事業を形にする。「なめらかにスタートアップできる社会」というビジョンのもと、大企業とスタートアップの垣根を越えた事業創出の仕組みづくりを追求している。
「世界トップクラスのベンチャービルダーになる。大企業の中からでも、なめらかにスタートアップできる社会を実現したい」
関連書籍
及部が日本語版の監修・解説を担当した『みんなのスタートアップスタジオ 連続的に新規事業を生み出す「究極の仕掛け」』(日経BP、2023年)は、スタートアップスタジオの理論と実践を体系的にまとめた一冊である。連続的に新規事業を生み出す「究極の仕掛け」として、スタジオモデルの設計・運営・評価の全体像を解説している。
