人物概要
佐々木俊典は、野村ホールディングス発のブロックチェーン企業 株式会社BOOSTRY の代表取締役CEOを務めるイントラプレナーである。ブロックチェーン技術を活用したセキュリティトークン(デジタル証券)の発行・取引プラットフォーム 「ibet」 を構築し、資本市場のデジタル化を推進している。2023年には日本取引所グループからの資本参加も実現し、金融インフラの変革を本格化させている。
経歴
筑波大学大学院システム情報工学研究科を修了後、 SAPジャパン で金融機関向けシステム開発に従事した。2008年に野村證券の投資銀行部門に入社し、企業や自治体の 資金調達業務 を担当した。
2016年から野村ホールディングスおよび野村グループの子会社で、ブロックチェーン技術を用いた資金調達の研究開発に着手。この取り組みが発展し、2019年9月に 株式会社BOOSTRY を野村HD(66%)と野村総合研究所(34%)の合弁として設立し、CEOに就任した。
主な実績
BOOSTRYの中核プロダクトは、独自ブロックチェーン 「ibet for Fin」 上に構築されたセキュリティトークン発行・取引プラットフォームである。コンソーシアム型ブロックチェーンを採用し、証券トークンの発行から取引までをデジタルで完結させるインフラを提供している。
2023年3月には 日本取引所グループ(JPX) からの資本参加を実現し、デジタル証券市場の制度的な基盤強化を推進。さらにSBIホールディングスからの出資も受け入れ、業界横断的な コンソーシアム としての体制を構築した。グリーン・デジタル・トラック・ボンドなど、サステナビリティ関連の金融商品にも技術基盤を提供している。
思想とアプローチ
佐々木のアプローチの核心は、 「独占しないインフラ」 の構築にある。BOOSTRYは自らを「セキュリティトークンプラットフォーマー」ではなく ITベンダー と位置づけ、ブロックチェーンが実現する発行者と投資家の直接接続を支援するツール群を提供するという姿勢を貫く。
特定の企業が独占する中央集権型ではなく、複数の金融機関や事業者が参画できるコンソーシアム型を選択した点に、 「あらゆる権利をデジタル化し、挑戦者と支援者をつなぐ」 という壮大なビジョンが表れている。資本市場の民主化と透明化を技術基盤から実現しようとする取り組みは、金融業界におけるイントラプレナーシップの新たなモデルを示している。