人物概要
矢部俊男は、森ビルの都市開発本部計画企画部メディア企画部参与を務めるイントラプレナーである。一級建築士の資格を持ち、東京を 1/1000スケール で精密に再現した都市模型の制作を手がけた人物として知られる。都市模型を起点に仕事の領域を広げ、Cool Japan事業やメディア芸術情報拠点構築事業のディレクターとしても活動。都市の可視化を通じたコミュニケーション手法の開発に一貫して取り組んでいる。
経歴
もともと道路会社に勤務し、その後建築のコンサルティング会社に転職して 一級建築士 の資格を取得した。1998年に森ビルに入社し、以降、都市開発のプレゼンテーションツールの企画・制作を担当している。
六本木ヒルズのプロジェクトに際し、都市の未来像を可視化するための都市模型の制作に着手。当初はスペースの問題で倉庫に保管されていたこの模型が、 オフィスに展示されたことで営業チームの集客ツール として機能し始め、都市模型事業そのものが新たな事業領域へと発展した。
主な実績
最も象徴的な成果は、東京の広域を 1/1000スケールで再現した都市模型 である。この模型は森ビルの都市開発の構想を外部ステークホルダーに伝える強力なコミュニケーション手法として定着し、その後VRやメタバースといったデジタル技術への拡張も進められた。
2010年から5年間、文化庁の 「メディア芸術情報拠点コンソーシアム構築事業」 のディレクターを務め、Cool Japan関連の事業にも携わった。都市開発の枠を越え、文化・メディア領域との接点を開拓した点は、デベロッパーとしては異色のキャリアである。
現在は東京と 長野県茅野市での二拠点生活 を実践しており、地域活性化の取り組みにも参画している。都市と地方、フィジカルとデジタルの双方の視点から、まちづくりの未来像を探索し続けている。
思想とアプローチ
矢部のアプローチの核心は、 「自分にしかできない仕事」を見つける ことへのこだわりにある。都市模型という一見ニッチな領域を起点に、VR・メタバース・文化事業・地方創生へと仕事の範囲を有機的に広げてきた。大企業のなかで独自のポジションを確立し、組織の既存フレームに収まらない価値を生み出し続けている。