人物概要
吉田 裕明(よしだ ひろあき)は、日本最大手の住宅メーカーである積水ハウス株式会社の常務執行役員であり、プラットフォームハウス推進部長を務める経営幹部である。
長らく「ハードウェア(建物の品質や性能)」に強みを持ってきた積水ハウスにおいて、「住」を基軸とした新たな無形資産(ソフトウェア・サービス・データ)の価値創造を目指し、全社的な新規事業開発やデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引している。また、社外との共創拠点である「InnoCom Square」の運営にも関与し、オープンイノベーションのエコシステム構築を主導している。
経歴・実績
積水ハウスに入社する以前は、異業種において極めて多彩かつ豊富なビジネス経験を積んできた。ツムラ(漢方・医薬品)、ヤフー(IT・インターネット)、ローソンHMVエンタテイメント(小売・エンタメ)などで、広告宣伝、新規サービス企画、ジョイントベンチャー(JV)の設立、経営企画など、業界を横断した要職を歴任した。
外部のリソースと自社の強みを掛け合わせる手法や、消費者起点(C向け)でのサービス構築ノウハウに長けており、これらの「異業種の知見」を買われて積水ハウスに参画した「外部人材・プロフェッショナル経営層」の一人である。
現在の職務・プロジェクト
2021年より積水ハウスのプラットフォームハウス推進部長に就任。「わが家を世界一幸せな場所にする」という同社のグローバルビジョンをテクノロジーとデータの力で実現するための中核プロジェクトを統括している。
-
「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウスタッチ)」の展開: セキュリティ、遠隔操作、見守りなどを統合したスマートホームサービスの提供を主導。単なるIoT機器の導入ではなく、「住まい手のデータを蓄積し、家族の健康やウェルビーイング(Well-being)の向上に還元する」というサービス型ビジネスモデルの構築を進めている。
-
企業間共創とインサイト分析: 博報堂をはじめとする外部のパートナー企業との共同プロジェクトにおいて、生活者の無意識のインサイト(心理的欲求)分析などを推進。ハードを中心とした従来の住宅業界のビジネスモデルから、データとサービスを組み合わせたLTV(顧客生涯価値)最大化のソリューションビジネスへの構造転換を図っている。
思想とアプローチ
吉田のアプローチの根幹には、「顧客視点の徹底」と「異業種との越境・共創」がある。住宅という一生に一度の大きな買い物を「建てて終わり」にするのではなく、最新のテクノロジーを活用して「住めば住むほど幸せになる、アップデートされる家」へと進化させるべきだと提唱している。
また、社内のリソースだけでイノベーションを起こすことの限界を深く理解しており、共創拠点などを通じてスタートアップや他業界の企業とフラットに繋がり、社内外の知見を掛け合わせる(オープンイノベーション)カルチャーの醸成に力を注いでいる。経営陣の中核として、既存事業を守る力学と新規事業を育てる力学のバランスを取りながら、巨大企業のトランスフォーメーションを進めている。