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事業事例

BIRD INITIATIVE ― NECら6社が異業種連合で挑む共創型R&Dスタートアップスタジオ

日本電気
研究開発・事業創出 #カーブアウト #スタートアップスタジオ #共創 #R&D
事業・会社概要
事業会社
日本電気
業界
研究開発・事業創出
開始年
2020年
代表者
北瀬聖光
資本金
6億4,000万円
本社
東京都千代田区
サービスサイト
bird-initiative.com
コーポレートサイト
jpn.nec.com

History & Evolution

2020-09

BIRD INITIATIVE設立

NEC、大林組、日本産業パートナーズ、ジャパンインベストメントアドバイザー、CTC、東大IPCの6社でBIRD INITIATIVE株式会社を設立

2020-10

事業開始

共創型R&D事業と事業開発コンサルティングを開始

2023-04

初のカーブアウト2社を輩出

Intent Exchange株式会社(自動交渉AI)とビットクォーク株式会社(AIシミュレータ)がカーブアウト

2025-01

hootfolioがNECからカーブアウト

因果分析AIソリューションを提供するhootfolioがBIRDの支援を受けてNECからカーブアウト

課題・背景

日本の大企業が抱えるR&D(研究開発)資産は世界的にも高い水準にあるが、 研究成果が事業化に至る確率は極めて低い 。特にAIやIoTなどの先端技術領域では、研究と事業化の間に「死の谷」が存在し、優れた技術シーズが社内の論理(既存事業との整合性、短期的なROI要求)により埋もれてしまうケースが後を絶たない。

この課題に対し、 単独の企業では解決できないテーマを異業種の知見を掛け合わせて事業化する という発想が求められていた。加えて、事業化のスピードを上げるためには、大企業内部の意思決定プロセスから独立した組織体制が不可欠であった。

取り組みの経緯

NECは2020年、大林組、日本産業パートナーズ(JIP)、ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)と共同で、 BIRD INITIATIVE株式会社を設立 した。資本金は6億4,000万円で、代表取締役に北瀬聖光が就任した。

BIRDの名称は「 Business Innovation through R&D 」の頭文字に由来する。NECの研究開発力を核としつつ、建設(大林組)、SI(CTC)、金融(JIP・JIA)、アカデミア(東大IPC)という異業種の知見と資本を結集することで、 単独企業では到達できない事業テーマの創出 を目指した。

サービス概要

BIRDのビジネスモデルは、 共創型R&Dとカーブアウトを組み合わせたスタートアップスタジオ である。具体的なプロセスは以下の通りである。

まず、顧客企業やパートナー企業から 事業テーマの委託 を受け、NECの先端技術や東大の研究成果をベースに共同研究開発を行う。次に、研究成果が事業化の段階に達したら、 独立した新会社としてカーブアウト させる。BIRDは新会社の設立支援、初期の経営チーム組成、外部からの資金調達まで一貫して支援する。

この「 研究成果を社内に留めず、外に出す 」という設計が従来の企業R&Dとの最大の違いである。大企業内部では既存事業との利益相反や社内政治が事業化を阻むが、独立法人化することでこれらの障壁を回避できる。

成果と現状

BIRDは設立以来、 複数のカーブアウト案件 を実現している。2023年4月には、自動交渉AIを開発する Intent Exchange株式会社 と、AIシミュレータ「assimee」を提供する ビットクォーク株式会社 の2社がカーブアウトした。2025年1月には因果分析AIソリューションの hootfolio がNECからカーブアウトし、BIRDの支援実績を積み上げている。

NECにとって、BIRDは 社内のイノベーションモデルの6つの柱の一つ として位置づけられている。NECグループ全体の新事業創出戦略において、カーブアウトによる外部化という選択肢を体系的に提供する役割を担っている。

この事例から学べること

第一に、「異業種連合」によるR&Dが単独企業の限界を超えるという点である。 AIの研究開発はNEC単独でも可能だが、建設・金融・ITサービスなどの異業種パートナーが参画することで、研究テーマの設定段階から多様な市場ニーズを取り込める。技術の出口を最初から複数確保する仕組みである。

第二に、「カーブアウト前提」の設計が研究者のインセンティブを変えるという点である。 従来のR&Dでは成果が論文や特許に留まりがちだが、カーブアウトによる独立法人化が見えることで、研究者が「事業家」としての視点を持つようになる。出口の明確化がイノベーションの推進力を高める。

第三に、アカデミアとの「制度的な接続」が重要であるという点である。 東大IPCが株主として参画することで、大学の先端研究パイプラインとBIRDの事業化プロセスが制度的に接続された。個人的なネットワークに依存しない、再現可能な産学連携モデルを構築した。

関連項目

成功の鍵

1

異業種6社の「共創型R&D」モデル

NEC(AI・ICT)、大林組(建設)、CTC(SI)、東大IPC(アカデミア)など異業種の知見を持ち寄り、単独では生まれない事業テーマを創出

2

カーブアウトを前提とした出口設計

研究成果を社内に留めず、独立した新会社としてカーブアウトさせることを最初から前提としたビジネスモデル

3

アカデミアとの直結パイプライン

東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)が株主として参画し、大学の先端研究と事業化を直結

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