日立製作所
Hitachi, Ltd.
1910年創業。社会イノベーション事業を掲げ、IoTプラットフォーム「Lumada」を軸にIT×OT×プロダクトの融合で社会課題の解決に挑む日本最大の総合電機メーカー。
企業概要
- 企業名
- 日立製作所
- 業種
- 総合電機 / IT / エネルギー / 鉄道 / ヘルスケア
- 所在地
- 東京都千代田区
- 創業
- 1910年
- 公式サイト
- www.hitachi.co.jp
新規事業の歴史
History & Evolution
小平浪平が日立村に鉱山機械修理工場を設立
茨城県多賀郡日立村(現・日立市)で国産電気機械の製造に挑む。「和」「誠」「開拓者精神」を創業理念に掲げる。
株式会社日立製作所として設立
久原鉱業から独立し、株式会社として正式に発足。
IoTプラットフォーム「Lumada」発表
社会イノベーション事業のデジタル基盤として「Lumada 1.0」をローンチ。
GlobalLogic買収(約1兆円)
米デジタルエンジニアリング企業を約96億ドルで買収。Lumada 2.0への進化を加速。
新経営計画「Inspire 2027」発表
「ハーモナイズドソサエティ」の実現を掲げ、Lumada 3.0でAI×ドメインナレッジの融合へ。
【歴史】茨城の小さな修理工場から世界の社会インフラ企業へ
日立製作所の起源は1910年、 小平浪平 が茨城県日立村に設立した鉱山機械の修理工場に遡る。「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という創業の精神は、110年を超えた現在も企業文化の根幹をなす。
1920年に株式会社として独立した後、 電力、鉄道、産業機械 と事業を拡大。戦後は家電や情報通信にも進出し、「総合電機メーカー」として日本経済の成長と歩みを共にした。グループ企業数は国内外で800社を超え、従業員数は約27万人に達する。
2010年代以降、日立は大規模な 事業ポートフォリオの再編 に着手した。上場子会社の完全子会社化・売却を進め、日立化成、日立金属、日立建機といった主要グループ企業を相次いで再編。2021年には米GlobalLogicを約96億ドル(約1兆円)で買収し、デジタルエンジニアリング能力を一気に強化した。
【戦略】社会イノベーション事業とLumadaの三段進化
日立の経営戦略の核は 「社会イノベーション事業」 である。社会インフラとITの融合で社会課題を解決するというコンセプトは、2009年の経営危機からの復活を契機に確立された。
この戦略のデジタル基盤が、2016年に発表されたIoTプラットフォーム 「Lumada」 である。
Lumadaの三段進化
Lumada 1.0(2016年〜) は、IoTプラットフォームとしてスタートした。工場や社会インフラの運用データを収集・分析し、業務の効率化や予知保全を実現する基盤として位置づけられた。
Lumada 2.0(2021年〜) は、GlobalLogic買収を契機にデジタルエンジニアリング機能を統合した進化形である。顧客のバリューチェーン全体をデジタルで進化させるアプローチへと拡張し、 コンサルティングから実装まで一気通貫 で提供する体制が整った。
Lumada 3.0(2025年〜) は、新経営計画「Inspire 2027」で打ち出された最新フェーズである。日立が持つ ドメインナレッジ(業界知見)とAIを掛け合わせ 、社会インフラのトランスフォーメーションに取り組む。長期目標として「Lumada売上収益比率80%、EBITA率20%」を掲げる。
協創の森 — 顧客と共に課題を解くR&D拠点
2019年に開設された 「協創の森」 は、中央研究所の機能を再定義した研究開発拠点である。従来の「技術シーズを開発して事業部に渡す」モデルから、 顧客やパートナーと一緒に課題を定義し、解決策を共創する モデルへの転換を象徴する施設である。
独自の協創方法論「NEXPERIENCE」を体系化し、デザインシンキングの手法を取り入れた課題発見から、プロトタイピング、実証実験までをワンストップで実施できる。
【数字で見る】Lumada事業の規模
2024年度(2025年3月期)のLumada事業売上収益は 約3兆210億円 で、全社売上の約31%を占める。前年比で着実に成長しており、2027年度にはLumada売上収益比率50%を目指す。
2025年度のLumada事業売上目標は 前年比28%増の約3兆9,000億円 であり、全社売上に占める比率は38%への拡大が見込まれている。日立がもはや「電機メーカー」ではなく 「社会インフラのデジタル企業」 へと変貌しつつある証左である。
【キーパーソン】変革を牽引したリーダーたち
中西宏明 (元会長、故人)は、2010年に社長に就任し、巨額赤字からの経営再建を主導した人物である。「社会イノベーション事業」へのシフトを決断し、事業ポートフォリオの大胆な再編を実行した。
東原敏昭 (前会長)は、中西路線を継承し、GlobalLogic買収やABB送配電事業の買収など 1兆円規模のM&A を複数実行。日立をグローバルな社会インフラ企業に変革する道筋を確立した。
德永俊昭 (現社長兼CEO)は、2025年4月に就任し、新経営計画「Inspire 2027」を推進する。Lumada 3.0によるAI活用と「ハーモナイズドソサエティ」の実現を掲げる。
【成功と失敗】2009年の危機がもたらした変革
日立の新規事業戦略の原点は、 2009年3月期の7,873億円の最終赤字 にある。当時、製造業としては国内最大の赤字であり、総合電機の多角化モデルの限界を露呈した。
この危機が、「何でも作る」総合電機から 「社会イノベーション事業」への集中 という戦略転換を生んだ。収益性の低い事業は売却し、社会インフラ×デジタルという成長領域にリソースを集中する。結果として、2024年度の調整後営業利益率は約10%に達し、かつての「利益なき繁忙」からの脱却を果たしている。
一方で、上場子会社の再編では グループ企業の従業員や取引先への影響 も大きく、「選択と集中」の痛みを伴う変革であったことも事実である。
【展望】Lumada 3.0とハーモナイズドソサエティ
日立は「Inspire 2027」で 環境・幸福・経済成長が調和する「ハーモナイズドソサエティ」 の実現を長期ビジョンに掲げる。Lumada 3.0を軸に、エネルギー、モビリティ、ヘルスケア、産業の4領域でAIとドメインナレッジの融合を加速する。
かつて茨城の小さな修理工場から始まった企業が、 世界の社会インフラを変革するデジタル企業 へと進化しようとしている。危機を成長の触媒に変える。110年の歴史が裏打ちする、日立の適応力の真価が問われる局面である。
関連項目
成功の鍵
Lumada(社会イノベーション基盤)
IT×OT×プロダクトを統合するIoTプラットフォーム。データドリブンで社会インフラを進化させる。2024年度売上収益は約3兆円規模。
協創の森(Co-creation Forest)
2019年開設の研究開発拠点。顧客・パートナーとの協創により、社会課題の解決策を共同で設計する。
スタートアップ連携
Plug and Play Japanなどのアクセラレータープログラムを通じ、スタートアップとの共創で新事業を加速。
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