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事業会社

東京電力ホールディングス

Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc.

日本最大の電力会社。2018年に新規事業の独立会社「東京電力ベンチャーズ」を設立し、CVC投資と自社事業開発の両輪でエネルギー領域の新事業を推進。

企業概要
企業名
東京電力ホールディングス
業種
エネルギー / 電力 / インフラ
所在地
東京都千代田区
創業
1951年
公式サイト
www.tepco.co.jp

企業概要

東京電力ホールディングスは、1951年に設立された日本最大の電力会社である。首都圏を中心に約2,900万件の顧客基盤を持ち、 発電・送配電・小売の各事業 を展開する。2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を経て、経営再建と並行して新規事業の創出に本格的に取り組んでいる。電力・ガスの自由化や脱炭素化という構造変化のなかで、 既存事業の枠を超えたイノベーション を模索する大企業の代表的事例である。

新規事業への取り組み

新規事業タスクフォースの設置(2013年〜)

東京電力の新規事業への組織的取り組みは、2013年の タスクフォース設置 にまで遡る。震災後の福島復興を第一命題としながらも、社会に対して新しいサービスを創る必要性、そして 優秀な社内人材の流出抑止 という課題が、新規事業推進の原動力となった。2016年頃にはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)としての出資機能を追加し、投資と事業開発の両輪体制を構築した。

東京電力ベンチャーズの設立(2018年)

2018年5月、東京電力ホールディングスは新規事業部署を独立会社化し、全額出資の「 東京電力ベンチャーズ株式会社 」を設立した。「ユーティリティの未来を、一緒に」をコンセプトに、蓄電池ソリューション、オンライン特化型電力小売、ドローン関連事業など 約10のプロジェクト を同時並行で推進した。独自の事業開発に加え、国内外の異業種企業やスタートアップとの連携による新規事業開発も積極的に行った。

東京電力フロンティアパートナーズ(CVC)

同時期の2018年5月、東京電力エナジーパートナーはベンチャー企業への出資を専門に行う CVC「東京電力フロンティアパートナーズ合同会社」 を設立した。TEPCO i-フロンティアズと連携し、エネルギー関連スタートアップへの投資を通じた 価値共創とビジネスアクセラレーション を実施している。

主な新規事業・事例

TRENDE株式会社 ― 電力小売の再発明

TRENDE株式会社は、東京電力ベンチャーズの傘下で運営された電力小売ベンチャーである。家庭向けの新しい電力小売サービス「 あしたでんき 」を提供し、シンプルな料金体系と完全オンライン対応で従来の電力小売の常識を覆した。

特筆すべきは、外部から招聘した 実績のあるベンチャー経営者に経営を委ねる という運営方針である。親会社とのカニバリゼーション(共食い)を恐れず、あえて本体の電力事業と競合する領域で新規事業を展開した点は、大企業の新規事業における「 自己破壊的イノベーション 」の実践例として注目された。

アプローチと特徴

東京電力の新規事業戦略の特徴は、 「投資」と「事業開発」の両輪 にある。CVCによる外部スタートアップへの出資でスピード感を確保しつつ、自社でも事業のオーナーシップを持ちながら事業を展開するという二正面作戦を採用した。外部の知見とエネルギーインフラという 巨大な既存アセット を掛け合わせることで、他社には模倣困難な新規事業を生み出す構造を志向した。

一方で、2025年6月には東京電力ベンチャーズが解散を予定しており、独立子会社型の新規事業推進モデルの 持続可能性と課題 を示す事例でもある。大企業の新規事業組織のライフサイクルを考えるうえで、設立から解散までの一連のプロセスが今後の研究対象となりうる。

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