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事業会社

Zip Infrastructure株式会社

Zip Infrastructure, Inc.

慶應義塾大学発のスタートアップ。都市型自走式ロープウェイ「Zippar」を開発。ロープとゴンドラを独立させた独自設計でモノレール比1/5のコストを実現し、次世代都市交通インフラの普及を目指す。

企業概要
企業名
Zip Infrastructure株式会社
業種
交通インフラ・モビリティ
所在地
福島県南相馬市
創業
2018年
公式サイト
zip-infra.co.jp

新規事業の歴史

History & Evolution

2018

慶應義塾大学発スタートアップとして設立

都市型自走式ロープウェイ「Zippar」の研究開発を本格始動。

2023

神奈川県秦野市でテスト走行成功

12人乗りテスト車両による公道水準の試験走行に成功。技術の実証段階へ移行。

2024

3.1億円を資金調達

商用化に向けた開発加速と量産体制の整備のため、第三者割当増資を実施。

2026

新明和工業と資本業務提携

整備基地・充電設備の共同開発を目的に提携。大企業との共同開発体制を強化。

企業概要

Zip Infrastructure株式会社は、2018年に慶應義塾大学の研究成果を基盤として設立されたディープテック系スタートアップである。都市型自走式ロープウェイ「Zippar(ジッパー)」の開発・商用化を主事業とし、日本の交通インフラが抱えるコスト・工期・柔軟性の課題に正面から取り組む。開発・テスト走行の拠点を福島県南相馬市に置き、現地での実証実験を重ねながら技術を磨いてきた。

Zipparの仕組みと特長

Zipparが従来のロープウェイやモノレールと一線を画すのは、ロープとゴンドラ(キャリア)を独立分離させた構造にある。従来型のロープウェイはゴンドラがロープに吊り下げられるため、曲線走行や分岐が難しく、路線の自由度が低かった。Zipparはキャリア自体が動力と制御機能を持つ「自走式」を採用することで、この制約を根本から取り除いた。

主な特長は以下の通りである。

  • コスト: モノレール比1/5の建設コスト(約15億円/km)。大規模な用地買収が不要な点も導入コストを下げる要因となる。
  • 工期: 軽量キャリアと軽量支柱の組み合わせにより、標準的な工期を約1年に短縮。
  • 柔軟な線形: 曲線走行や分岐点の自由な設定が可能なため、既存の道路・地形に合わせたルート設計ができる。
  • 環境適合: 電動駆動のため排気ガスを出さず、都市部・観光地での運用に適している。

2023年4月には神奈川県秦野市において12人乗りテスト車両による走行試験を実施し、技術的な実現性を公開の場で示した。

大企業連携による商用化への道筋

スタートアップが交通インフラ事業を商用化するうえでの最大のハードルは、製造・整備の体制構築と社会的信用の獲得である。Zip Infrastructureは、この課題をオープン・イノベーション的な大企業連携で突破しようとしている。

2026年3月に締結した新明和工業との資本業務提携はその代表例である。新明和工業は特装車・航空地上支援機器・環境機器などを手がける重工メーカーであり、整備拠点の設計・構築や充電設備の共同開発において強みを持つ。スタートアップの革新的技術と大企業の製造・整備ノウハウを組み合わせるこのモデルは、コ・クリエーション型の事業推進の一形態として注目される。

新明和工業との連携の背景には、モビリティ分野における既存産業の変革という共通の問題意識がある。航空分野や特装車事業で培った精密機械技術をロープウェイの整備設備に転用できる可能性があり、両社にとって事業領域の拡張につながる取り組みである。

なお、エアモビリティ領域においても類似した大企業×スタートアップの共同開発モデルが増えており、Zip Infrastructureのアプローチはその文脈で語られることも多い。

関連項目

参考文献

成功の鍵

1

独自技術「Zippar」の商用化

ロープとゴンドラを独立分離させた設計により、曲線走行・分岐点の自由な設定を実現。既存モノレール比1/5のコスト(15億円/km)と工期1年を武器に、都市への導入障壁を下げる。

2

大企業との連携による量産・普及

製造・整備の専門性を持つ大企業と資本業務提携を結び、スタートアップ単独では難しいインフラ整備を実現。新明和工業との連携がその先行事例。

3

地域・都市課題へのインフラ提供

丘陵地・観光地・都市の移動手段として、渋滞緩和・環境負荷低減・観光活性化を同時に狙う。地方創生との文脈で行政との協議も進める。

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