人物概要
有田 一貴(ありた かずたか)は、小田急電鉄株式会社のデジタル事業創造部において統括リーダーを務める人物である。獣害に悩む農家と狩猟希望者をマッチングする新規事業 「ハンターバンク」 を考案し、事業化まで推進した社内起業家である。
大学時代の山岳活動で感じた生態系の危機という原体験を、鉄道会社の新規事業として昇華させた。個人の「想い」と大企業の「仕組み」を接続した実践例として注目されている。
経歴
2014年に小田急電鉄に新卒入社 した。IT推進部に配属され、テレワーク環境の整備などを担当。2018年にグループ経営部に異動し、グループ会社の経営管理や流通部門の企業再編に携わった。
社内の新規事業提案制度に獣害対策事業のアイデアを応募し、 役員審査を通過 。2019年に経営戦略部へ異動し、ハンターバンク事業のプロジェクトリーダーとして小田原での実証実験を推進した。その後、デジタル事業創造部の統括リーダーとして事業の本格展開を主導している。
主な実績
「ハンターバンク」の事業化 を実現した。ハンターバンクは、獣害に悩む農家・地域と、狩猟を始めたい都市部の人々をマッチングするサービスである。初期投資不要で狩猟に挑戦できる仕組みを構築し、地域の関係人口づくりにも貢献している。
小田原市との 公民連携 で実績を積み上げた後、全国展開を加速。2023年10月には「現地運営パートナー」の募集を開始し、 小田急電鉄の沿線外にも事業領域を拡大 している。
獣害問題という社会課題の解決と、鉄道会社の新たな収益源の創出を両立させるビジネスモデルとして、 小田急グループのブランドサイト でも特集されている。
思想とアプローチ
有田の事業構想の原点は、 大学時代の山岳活動 にある。登山中に目撃した鹿の増加による生態系破壊の現実が、獣害対策事業のアイデアにつながった。個人の原体験を事業の「Why」として据え、社内の制度を活用して形にする実践力を持つ。
鉄道会社が狩猟事業を手がけるという 一見ミスマッチな組み合わせ を、「地域づくり」という上位概念で接続した点が特徴的である。沿線地域の課題解決を通じた関係人口の創出は、鉄道会社の本業にも還元される構造を持つ。