人物概要
金子裕司は、キリンホールディングスの研究員出身のイントラプレナーであり、 INHOP株式会社の代表取締役社長CEO兼CTO を務める人物である。1984年埼玉県生まれ、早稲田大学大学院修士課程修了。ホップの健康機能に着目した研究を10年以上にわたり続け、その成果を事業化するために2019年に設立されたINHOPの経営を担う。
経歴
2009年にキリンビールに研究員として入社し、機能性食品素材やノンアルコールビールの研究開発に従事した。 健康・機能性食品事業推進プロジェクト や健康技術研究所を経て、ホップの苦味成分がもたらす健康効果の解明に注力。ビール醸造に不可欠な素材であるホップを、飲料や製菓、サプリメントに応用可能な 「熟成ホップエキス」 として量産化する技術を確立した。
2019年10月、キリンHD(51%)と電通(49%)の合弁により INHOP株式会社 が設立され、金子は代表取締役社長に就任した。研究者が自ら事業責任者となり、社内ベンチャーの経営を担うモデルは、キリンのR&D起点型イノベーションを象徴する事例となっている。
主な実績
最大の研究成果は、ホップの苦味を従来の 約10分の1に低減した「熟成ホップエキス」 の開発である。20年以上にわたるキリンのホップ研究の蓄積を基盤に、体脂肪低減効果を訴求する 「キリン カラダFREE」 の開発にも貢献した。
INHOPでは熟成ホップエキスを活用したサプリメントや飲料の商品展開に加え、ホップの認知度向上を目的とした情報発信プラットフォームの構築を推進している。研究開発と事業開発の両方を一人の人物が主導する構造は、大企業発スタートアップの中でも異例である。
思想とアプローチ
金子のアプローチは、 研究者としての深い専門性を事業化に直結させる 点にある。「社内の誰よりも熟成ホップエキスについて詳しい自信があった」と語り、素材の可能性を誰よりも理解している研究者だからこそ、市場への橋渡しを最短距離で実現できるという信念を持つ。
ホップの素材としての認知度向上を事業のゴールに据え、商品販売にとどまらず人々の生活にホップを届けるプラットフォーム構築を志向している。