人物概要
長瀬 謙悟(ながせ けんご)は、日本の自動車・二輪車メーカーであるスズキ株式会社のIT本部(IT基盤部)デジタル化推進部DX推進課にて課長(マネージャー)を務める人物である。
「小少軽短美」を理念とする製造業・スズキにおいて、ものづくりの領域を超えた全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進のキーマンである。顧客体験(CX)の向上を目的としたデジタル接点の構築から、数万人規模の従業員が利用する社内インフラの整備・効率化まで、幅広い領域でITインフラの刷新とオープンイノベーションを主導している。
経歴・実績
スズキに入社後、IT関連部署にて長年にわたり社内システムの構築や運用、インフラ戦略の立案に従事。従来型の堅牢な情報システム部門の枠組みを越え、「ビジネス成長のためのIT」を標榜し、クラウド化やSaaSの導入を積極的に推進してきた。
具体的な実績の一つとして、スズキの社内情報を集約するポータルサイトの多言語化プロジェクトがある。グローバル展開を進める同社において、海外拠点や多様な国籍の従業員への迅速な情報共有は急務であった。長瀬はシステム運用負荷の飛躍的な増大やセキュリティ上の懸念といった課題に対し、Webサイト多言語化ソリューション「WOVN.io(ウォーブン・ドットアイオー)」の導入というアプローチで解決。情報システム部門の工数を増やすことなく、全社的な多言語対応をセキュアに実現した。
現在の職務・プロジェクト
デジタル化推進部において、スズキのDX戦略を具現化する複数のプロジェクトを並行してマネジメントしている。 単なるITツールの導入にとどまらず、現場の業務プロセスそのものをデジタル前提で再構築する取り組みに注力している。
また、「成熟企業同士のオープンイノベーション」に強い関心を持ち、社内のリソースだけで解決できない課題に対しては、外部の知見を積極的に取り入れている。「ARCH(虎ノ門ヒルズのインキュベーションセンター)」や「PLUG AND PLAY JAPAN」といったスタートアップ・コミュニティやイノベーション・プラットフォームに自社を接続させ、新しい技術やビジネスモデルをスズキの経営課題と結びつける役割も担っている。
思想とアプローチ
長瀬のアプローチは、大企業特有の「重厚長大なシステム開発」からの脱却にある。「小さく産んで大きく育てる」というアジャイルな思想を持ち、SaaSなどの外部サービスをうまく組み合わせてスピーディーに検証(PoC)し、効果が出たものを全社に展開する手法を得意とする。
システム部門の自己満足に終わらないよう、常に「ユーザー(顧客および従業員)にとっての本当の価値は何か」「運用負荷は適正か」「セキュリティは担保されているか」という三つのバランスを意識した実用的なDXを追求している。「DXは目的ではなく、あくまで会社を良くするための手段である」という哲学のもとで変革をリードしている。