人物概要
佐々木 悠(ささき ゆう)は、株式会社mitaseru JAPANの取締役である。
三井不動産株式会社に在籍中、ビジネスイノベーション推進部に所属し、松本大輝氏とともに、厳選お取り寄せグルメサービス「mitaseru(ミタセル)」の事業アイデアを新規事業提案制度「MAG!C」に共同提案した。三井不動産という巨大デベロッパーの「場所を提供するビジネス」から一歩踏み出し、「コンテンツ(食)そのものをロケーションフリー化する」というパラダイムシフトを実現したイントラプレナーの一人。
経歴・実績
三井不動産において様々な業務に携わるなかで、日本の外食産業における構造的な課題(Negative)である「立地やキャパシティ(席数×回転率)の限界」や「労働集約型の収益モデル」に限界を感じるようになる。
コロナ禍において大打撃を受けた飲食業界の惨状を目の当たりにし、「三井不動産だからこそできる、飲食の新しいビジネスモデルの支援レイヤーがあるはずだ」と一念発起し、「mitaseru」の原型となるプロジェクトを立ち上げた。起案後は、名店のシェフとの折衝、冷凍庫での再現性テスト(PoC)、テストマーケティングの実施など、泥臭い検証プロセスを最前線で推進し、社内決裁の獲得に大きく貢献した。
2024年6月の株式会社mitaseru JAPANの設立に伴い、取締役に就任し、同社の成長フェーズにおける経営とスケーリングを牽引している。
現在の職務・プロジェクト
株式会社mitaseru JAPANの経営陣として、サービス全体のオペレーション最適化や新規参画店舗の開拓などを担っている。
特に、「mitaseru」のビジネスモデルの肝となる「店舗側の負担ゼロ(店舗はレシピの提供と監修のみを行い、調理から冷凍・配送までをmitaseru側が請け負う)」という体制を強固にするため、提携するセントラルキッチン(専用調理工場)の品質管理や、急速冷凍技術のパートナー企業とのアライアンス強化などに注力している。
また、「美味しいの継承プロジェクト」として、廃業を余儀なくされる名店の味を後世に残すための取り組みの最前線に立ち、地域の名物料理や職人の味のアーカイブングによる新たなブランド価値創造を模索している。
思想とアプローチ
佐々木のアプローチは、「現状の制約(負の要素)の裏にある、本当のポテンシャルを見つけ出すこと」にある。名店の味が店舗に縛られているという課題に対し、最新の冷凍食品技術(フードテック)を活用することで、「料理」を時間的・空間的制約から解放することに注力している。
大企業の社内新規事業においては、「本当にそれがうちの会社がやるべきことか(Why Us?)」を常に問われるが、佐々木は「テナントと共に歩んできた三井不動産だからこそ、テナントの未来の収益モデルを一緒につくる責任がある」という強い共感のストーリーテリングによって、社内の巻き込みを実現している。泥臭い店舗開発の現場感覚と、フードテックを俯瞰する視座を併せ持つ実践家である。