人物概要
孫正義は、ソフトバンクグループ株式会社の創業者であり、代表取締役 会長兼社長執行役員を務める日本を代表する起業家・投資家である。1957年佐賀県鳥栖市生まれ。「 情報革命で人々を幸せに」を経営理念に掲げ、通信・インターネット・AI投資と事業領域を拡大し続けてきた。 10兆円規模のビジョン・ファンド を通じた世界規模のAI投資で知られる。
経歴
孫正義は16歳で高校を中退し単身渡米、 カリフォルニア大学バークレー校 経済学部に進学した。在学中に「音声装置付き多国語翻訳機」の試作機を開発し、シャープに売り込んでおよそ1億円の資金を得ている。この原体験が「テクノロジーで世界を変える」という孫の原動力となった。
1981年、24歳で日本ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)を福岡で創業。パソコンソフトの流通業からスタートし、出版、インターネット、通信と事業領域を拡大していった。2006年にはボーダフォン日本法人を約1.75兆円で買収し携帯電話事業に参入。以降、Yahoo! JAPAN、Sprint、 ARM など数兆円規模のM&Aを次々と実行してきた。
主な実績
孫正義の新規事業戦略は、「 群戦略」と呼ばれる独自のコンセプトに集約される。特定の分野で優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業群を緩やかに束ね、互いに進化・成長させるというものである。2017年に設立した ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF) は、10兆円規模の投資ファンドとして世界中のAI関連スタートアップに投資し、この群戦略を具現化した。
日本国内では、SVF投資先であるインドのPaytmの技術を基盤に、ソフトバンクとヤフーの合弁で PayPay を立ち上げた。2018年のサービス開始から急速に普及し、日本のキャッシュレス決済市場を一変させた。2016年に約3.3兆円で買収したARMは、2023年にNasdaqに再上場を果たしている。
思想とアプローチ
孫正義の経営哲学の根幹にあるのは「 300年ビジョン」である。30年先ではなく300年先を見据え、情報革命がもたらす人類の幸福を追求するという壮大な構想だ。投資判断を貫く原則は、将来のメインストリームとなる大きな市場を狙うこと、革新的な技術を持つ企業であること、そして野心的で明確なビジョンを持った経営者であることである。
「近くを見るから船酔いするんです。100キロ先を見てれば景色は絶対にぶれない。ビジョンがあれば、少々の嵐にもへこたれません」