人物概要
田所雅之は、株式会社ユニコーンファームのCEOであり、ベストセラー『 起業の科学 スタートアップサイエンス』の著者として知られるシリアルアントレプレナーである。日米で合計5社を起業し、シリコンバレーのベンチャーキャピタルでベンチャーパートナーを務めた経験から、 2,000社以上の事業を評価・アドバイス してきた。リーンスタートアップの手法を日本の新規事業開発に体系化した第一人者である。
経歴
田所は1978年生まれ。大学卒業後、外資系コンサルティングファームで経営戦略コンサルティングに従事した。独立後は日本で企業向け研修会社、経営コンサルティング会社、エドテックのスタートアップなど 3社 を起業。さらに米国でECプラットフォームのスタートアップを立ち上げ、シリコンバレーで活動した。
帰国後、シリコンバレーのベンチャーキャピタルでベンチャーパートナーを務め、2017年にスタートアップ支援会社 ユニコーンファーム を設立しCEOに就任。同年、それまでの経験を凝縮したスライド集『Startup Science 2017』が全世界で約5万回シェアされる反響を呼んだ。2022年よりブルー・マーリン・パートナーズの社外取締役も務めている。
主な実績
田所の最大の功績は、MVPの構築からPMF(Product Market Fit)達成までのプロセスを、仮説構築・課題検証・ソリューション検証・MVP構築・PMF達成の 5段階フレームワーク として明確に体系化したことである。著書『起業の科学』はAmazonの経営書売上ランキングで 115週連続1位 を獲得し、5か国語に翻訳、シリーズ累計25万部を突破した。
続編の『 起業大全』では事業成長の全体像をカバーし、『御社の新規事業はなぜ失敗するのか?』では大企業の文脈にリーンスタートアップを適用する方法論を展開。日本の事業開発における「 共通言語」を作り上げた人物として、全国の企業・大学での講演・研修を通じて実践知を普及している。
思想とアプローチ
田所のアプローチの核心にあるのは、「 事業開発には再現可能な方法論がある」という確信である。経験と勘に頼る属人的な事業開発ではなく、科学的なプロセスで仮説検証サイクルを回すことが成功確率を高めると説く。顧客インタビュー3人から始める仮説検証を推奨し、いきなり事業計画書を書くのではなく「顧客が本当にその課題を抱えているか」の検証を最優先に置く。
「それまでは英語圏でもここまで網羅的にPMFのステップを書いたコンテンツや書籍はなかった。起業家としての日米での活動、メジャーキャピタルやアドバイザーとしての活動経験の集合知として『スタートアップサイエンス』ができた」
著書
田所は事業開発の体系化に関する複数の著書を執筆している。代表作『 起業の科学 スタートアップサイエンス』(日経BP、2017年)は新規事業開発者必読の書として定着し、『 起業大全』(ダイヤモンド社、2020年)では成長フェーズまでカバーした。『 御社の新規事業はなぜ失敗するのか?』(光文社新書、2020年)は大企業イノベーションに焦点を当てた実践書である。


