人物概要
多治見和彦は、みずほ銀行のデジタルイノベーション部において、 IoT・ビッグデータを活用した新事業開発 を推進するイントラプレナーである。京都大学大学院理学研究科修了後の2001年にみずほFGに入社。金融工学の専門性を基盤に、異業種連携のインキュベーション拠点 Blue Lab の設立や情報銀行、デジタル地域振興券など、金融とテクノロジーの境界領域で新たな価値を生み出してきた。
経歴
2001年に京都大学大学院理学研究科を修了し、みずほフィナンシャルグループに入社した。金融工学を専門とするキャリアを歩み、2014年7月にみずほ第一フィナンシャルテクノロジーの 金融工学部門副部長 に就任。定量分析や金融モデリングの実務と組織運営を両立させた。
2017年4月、デジタルイノベーション部の IoT・ビッグデータビジネスチーム次長 に就任し、金融の枠を越えた新事業創出に軸足を移した。同年6月にはBlue Labの設立に参画し、新技術を活用した次世代ビジネスモデルの構築を推進している。
主な実績
最も注目すべき成果は、2017年6月に設立された Blue Lab への参画である。Blue Labは、みずほFGが多様な業種の企業や自治体と連携し、金融を起点とした新たなビジネスモデルを創出するインキュベーション拠点として機能している。
具体的なプロジェクトとして、 デジタル地域振興券 の開発がある。従来は紙媒体で発行されていた地域振興券をデジタル化し、発行コストの削減、混雑回避、加盟店の事務負担軽減を同時に実現した。「データ流通の新しい世界を創る」をテーマに掲げ、情報銀行の構想推進にも携わっている。
思想とアプローチ
多治見のアプローチの特徴は、 理学と金融工学のバックグラウンド をデジタルイノベーションに応用する点にある。定量的な分析力を武器に、データ流通やIoTといった新領域の事業可能性を評価し、実証実験を通じて実装へとつなげる。
メガバンクが持つ 信用基盤とデータ資産 を活用し、異業種パートナーとの協業で金融サービスの外延を広げる戦略は、フィンテック時代における伝統的金融機関の変革モデルとして示唆に富む。