みずほ銀行
Mizuho Bank, Ltd.
みずほフィナンシャルグループの中核銀行。J-Coin Payやデジタル地域通貨、Blue Labを通じたオープンイノベーション型の事業開発に取り組む。
企業概要
- 企業名
- みずほ銀行
- 業種
- 金融 / 銀行
- 所在地
- 東京都千代田区
- 創業
- 1923年(みずほ銀行としての発足は2002年)
- 公式サイト
- www.mizuhobank.co.jp
企業概要
株式会社みずほ銀行は、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3行統合を経て 2002年 に「みずほ銀行」として発足した都市銀行である。2013年7月にみずほコーポレート銀行と合併し、現在の法人は登記上 1923年設立 を引き継ぐ。三菱UFJ銀行・三井住友銀行と並ぶ 3メガバンク の一角を占める。国内外に広範な拠点網を持ち、リテール・法人・国際の各分野で総合金融サービスを提供する。本社は東京都千代田区大手町に置く。
新規事業への取り組み
みずほ銀行(およびみずほフィナンシャルグループ)は、フィンテックの台頭やデジタル化の加速を受けて、 複数の軸で新規事業創出 に取り組んでいる。
2017年6月には、ベンチャーキャピタルのWiLとの合弁で 株式会社Blue Lab を設立し、スタートアップとの連携を通じた次世代ビジネスモデルの創造に乗り出した。設立時にはみずほ銀行のほか伊藤忠商事、損害保険ジャパン日本興亜、第一生命保険、農林中央金庫、丸紅、三井住友信託銀行が出資している。同じく2017年には、イノベーション企業を支援する会員サービス 「M’s Salon」 の会員募集を本格開始し、会員企業は 約4,000社 に達している(みずほ銀行公表値)。みずほのネットワーク、金融サービス提供力、コンサルティング力を活用し、急成長企業に経営知識・事業ノウハウ・資金調達サポートを提供する。
2025年12月4日には、 オープンイノベーション型事業開発への方針転換 と 探索投資ファンドの立ち上げ を発表した。Blue Labは同年12月1日付でみずほ銀行の 100%子会社 となり、シード・アーリー期のスタートアップに投資する「 Blue Lab 1号投資事業有限責任組合(Blue Lab Fund) 」(存続期間10年・投資期間5年)の運営会社へと役割を転換し、みずほ銀行内には事業開発を専門に推進する 「事業共創部」 を新設した。自ら「0→1」を生み出す事業開発では創出スピードと事業化後のスケール拡大が課題となっていたことを、方針転換の理由に挙げている。
主な新規事業・事例
J-Coin Pay — 銀行発のスマホ決済
「J-Coin Pay」 は、みずほ銀行が提供する スマートフォン決済サービス である。連携する金融機関の預金口座保有者が、個人間の送金、店舗での決済、預金口座との入出金をアプリ上で完結できる。全国170以上の金融機関が参画し、銀行口座と直結した資金移動を強みとする。
2022年6月には、企業の自社店舗や特定地域でのみ流通する独自通貨 「ハウスコイン」 への本格参入を表明した。J-Coin Payの決済システムを流用することで、開発費用と期間を圧縮できる点を強みに事業会社への営業を展開する。
会津若松市 — デジタル地域通貨によるスマートシティ
みずほ銀行は、福島県会津若松市の 「地域課題解決型デジタル地域通貨サービス」 の社会実装に、TIS・東芝データ・東芝テックとともに取り組んでいる。会津若松市の事業が2022年6月にデジタル田園都市国家構想推進交付金事業(TYPE3)に採択されたもので、みずほ銀行は デジタル地域通貨の発行と、決済処理・金融機関連携を担うシステムの提供 を担当する。TISが提供する地域ウォレットアプリ 「会津財布」 は2022年1月にJ-Coin Payとの連携を開始し、2023年3月にはみずほのハウスコイン基盤を活用したデジタル地域通貨 「会津コイン」 が始動した。
同市の都市OSでは、ヘルスケア、行政、観光、防災、決済、食・農業の 6分野でデータ連携 が進む。購買データを健康促進に活用する事業のほか、農業事業者と地域の飲食・宿泊施設をつなぐ凸版印刷のプラットフォーム 「ジモノミッケ!」 では、取引で生じる資金精算にデジタル通貨を用いる構想も検討されており、金融を起点とした地域DXのモデルケースとなっている。
Blue Lab — 次世代ビジネスモデル創造の専門組織
Blue Lab は、2017年6月にみずほ銀行とWiLの合弁で設立され、金融に限らずあらゆる産業で新技術を活用した次世代ビジネスモデルの創出を目指してきた組織である。DX人材育成の「道場」プログラムも運営し、知識ゼロからAIモデルを開発できる人材を社内で育成した。2025年12月1日にみずほ銀行の100%子会社となり、現在は シード期を中心とした探索投資に専念する投資専門子会社 へと位置づけを変えている。
アプローチと特徴
みずほ銀行の新規事業戦略は、 金融インフラを「プラットフォーム」として開放 する発想に貫かれている。J-Coin Payの決済基盤を地域通貨やハウスコインに転用する BaaS(Banking as a Service)的な展開 は、銀行自体がプラットフォーマーとなるビジョンを示す。
第二に、 2011年から続く「スマートシティ会津若松」への参画 がある。単発の実証で終わらせず、行政・大学・企業が集うコンソーシアムの一員として長期的な地域DXに伴走する姿勢は、銀行ならではの「信頼」を基盤とした地域共創モデルである。
第三に、2025年の 探索投資ファンド立ち上げとBlue Labの完全子会社化 は、「自前主義」からの転換を明確にした。新規事業創出のスピードと事業化後のスケール拡大が課題であったことを自ら認め、投資を通じた外部連携に舵を切った点は注目に値する。
関連項目
参考文献
- みずほ銀行公式サイト
- オープンイノベーション型事業開発の取り組みと探索投資ファンドの立ち上げについて(みずほ銀行・Blue Lab, 2025年12月4日)
- 新たな事業創出を目的とする合弁会社設立について(みずほフィナンシャルグループ, 2017年7月10日)
- 組み込み型決済サービス「ハウスコイン」の初号案件のリリースについて(みずほ銀行, 2022年9月5日)
- デジタル田園都市国家構想推進交付金事業(TYPE3)採択・会津若松市「地域課題解決型デジタル地域通貨サービス」(TIS, 2022年8月9日)
- 地域課題解決型デジタル地域通貨サービス「会津コイン」を開始(TIS, 2023年3月29日)
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