人物概要
土屋尚史は、 株式会社グッドパッチ(Goodpatch) の代表取締役社長兼CEOであり、日本におけるUI/UXデザイン領域を牽引する起業家である。2011年にサンフランシスコでの経験を経てGoodpatchを創業し、デザインの力でビジネスを前進させるという信念を貫いてきた。2020年には デザイン会社として日本初の上場 を東証マザーズで果たし、デザインの社会的価値を証明した。イントレプレナー創出支援にも取り組み、社員の内発的動機を起点とした事業開発を推進している。
経歴
1983年長野県佐久市生まれ。関西大学社会学部を2006年に中退した後、複数の企業を経験した。2011年3月にサンフランシスコに渡り、 btrax Inc. にてスタートアップの海外進出支援などを経験。シリコンバレーのデザイン文化に触れたことが、起業の原点となった。
2011年9月に株式会社グッドパッチを東京で設立。創業初期からGunosyやマネーフォワードといった スタートアップのUIデザイン を手がけて注目を集めた。自社開発のプロトタイピングツール「Prott」でグッドデザイン賞を受賞。2018年にはフルリモートのデザインチーム「 Goodpatch Anywhere」を開始し、同年にデザイナー特化のキャリア支援サービス「ReDesigner」も発表した。
2020年6月にデザイン会社として日本初となる東証マザーズ上場を達成。プロダクトデザインから組織デザインまで、デザインの適用範囲を拡張し続けている。
主な実績
Goodpatchは創業以来、スタートアップから大企業まで 数百社のプロダクト開発 を支援してきた。特にGunosyやマネーフォワードの初期UIデザインは、デザインがプロダクトの競争力を左右することを市場に示した象徴的な実績である。
新規事業支援の文脈では、イントレプレナー創出プログラム 「SANDBOX」 を開発した。形式的なビジネスプランを求める前に、社員一人ひとりの「好き」やこだわりを起点に事業の種を見つけるアプローチを確立し、バンダイナムコエンターテインメントやパソナグループなど大企業での導入実績を持つ。
一時は組織崩壊の危機も経験したが、ビジョンとカルチャーの再定義を通じて組織を立て直した。この経験は「 デザインの力を証明する」という同社のミッションをさらに強固なものにした。
思想とアプローチ
土屋の経営哲学の根底にあるのは、「デザインは見た目の装飾ではなく、 ビジネスそのものを動かす力 である」という信念だ。UIデザインに留まらず、組織デザイン、事業戦略のデザインまで領域を広げ、デザインの社会的価値の向上に挑み続けている。ビジョン「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」は、その思想の集約である。
「三流の人は金を残す、二流の人は事業を残す、一流の人は人を残す。でも超一流は文化を残す」
新規事業支援においても、形式的なフレームワークよりも 個人の内発的動機 を重視する姿勢が一貫している。「自分がやりたいこと」を起点にすることで、事業に対するオーナーシップと粘り強さが自然と生まれるという考え方が、SANDBOXプログラムの設計思想に反映されている。