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事業事例

ソフトバンク AGENTIC STAR ― 第3回 日本新規事業大賞を制した自律型AIエージェントプラットフォーム

通信 / IT / AI #AIエージェント #新規事業大賞 #プラットフォーム #生成AI #イントラプレナー
事業・会社概要
事業会社
ソフトバンク
業界
通信 / IT / AI
開始年
2024年
コーポレートサイト
www.softbank.jp

History & Evolution

2024年

AGENTIC STAR 開発開始

ソフトバンクの新規事業創出体制下で、自律型AIエージェントプラットフォームの構想と開発が進む。

2025年

初期版リリース・社内検証

専用仮想環境上で動作する自律型AIエージェントの初期版を提供。社内ナレッジ蓄積機能を含む長期記憶を実装。

2026年4月15日

第3回 日本新規事業大賞 大賞受賞

「Startup JAPAN 2026」内で開催された最終審査で、グロース部門グランプリおよび大賞を受賞。

課題・背景:エンタープライズに届かない汎用AIエージェント

生成AIの登場後、AIエージェントを謳うサービスは急増したが、エンタープライズ用途で実用に耐える製品は限られていた。理由は明確で、 セキュリティ・ガバナンス・継続的な学習機能 の三点が、汎用LLMをラップしただけのプロダクトでは満たせないからだ。

特に、企業のナレッジを安全に蓄積し、長期間にわたって組織の意思決定を補佐できる 長期記憶 を持つAIエージェントは、技術的にもインフラ的にもハードルが高い。組織のセンシティブな情報を扱う以上、汎用クラウドのチャット型AIでは要件を満たせないケースが多くある。

この 「エンタープライズに届かないAIエージェント」 という構造課題に対し、通信インフラとAI事業の双方を持つソフトバンクは独自のアプローチで取り組んだ。

取り組みの経緯:イントラプレナー主導のプロジェクト

AGENTIC STARの開発を主導したのが、ソフトバンク株式会社の 上原郁磨氏 である。同氏はソフトバンクの新規事業創出体制下でAGENTIC STARの構想と開発を主導し、事業化までを牽引した。

ソフトバンクは「ソフトバンクイノベンチャー」「ソフトバンクイノベーションプログラム」など複数の新規事業創出プログラムを長年運営しており、AGENTIC STARはその系譜から生まれた事例として位置づけられる。社員の 「志(Will)」 を事業化する文化的土壌が、本プロジェクトの基盤になっている。

「高度なガバナンス機能を備えた次世代型プラットフォームとして、企業の生産性向上と価値創出への貢献が評価された」

――第3回 日本新規事業大賞 講評(koubo.jp、2026年4月)

サービス・事業の仕組み:3形態で柔軟に組み込めるプラットフォーム

AGENTIC STARは、 専用仮想環境上で安全に利用でき、長期記憶により組織のナレッジを蓄積できる 自律型AIエージェントプラットフォームだ。アプリ開発、画像・動画生成、リサーチ・分析など、業務領域を限定しない汎用プラットフォームとして設計されている。

事業化アプローチの最大の特徴は、 3形態の提供モデル である:

  • SaaS型:クラウド上で即座に利用できるエンドユーザー向けサービス
  • 外部接続型:既存システムとAPI連携で接続するインテグレーション型
  • SDKパーツ提供型:自社プロダクトに組み込むコンポーネント型

利用企業の導入レベルに応じて柔軟に選択できる構造は、エンタープライズBtoBプロダクト設計のベンチマークとなり得る。生成AI時代のプラットフォーム戦略として、 「単独製品ではなく企業が組み込める基盤を提供する」 という発想が中核に置かれている。

成果と現状:第3回 日本新規事業大賞 大賞受賞

2026年4月15日、 「Startup JAPAN 2026」 内で開催された 第3回 日本新規事業大賞 最終審査で、AGENTIC STARは グロース部門グランプリ を受賞し、さらに全部門の頂点となる 大賞 に選出された。同賞はSansan株式会社、SBイノベンチャー株式会社ほか複数企業による共催で運営されている。

「高度なガバナンス機能を備えた次世代型プラットフォーム」「複数の提供形態による柔軟性」「企業の生産性向上と価値創出への貢献」が主な評価ポイントとして挙げられた。

この事例から学べること

第一に、エンタープライズAIエージェントは「単独製品」より「プラットフォーム」として設計する方が拡張性を持つ。 個別ユースケースの完成度競争ではなく、企業が安全かつ拡張可能に組み込める基盤を提供することで、用途の天井を引き上げる。AGENTIC STARの3形態提供モデルは、この設計思想の実践例だ。

第二に、長期記憶とセキュリティはエンタープライズ用途の必須条件である。 汎用LLMでは満たせない組織ナレッジの蓄積と、安全な実行環境の確保は、企業AIサービスの差別化要因となる。通信インフラ事業の知見を持つソフトバンクならではの強みを、AIエージェントに転用した構造として読める。

第三に、新規事業創出文化を長年運営する企業からはイントラプレナーが育つ。 ソフトバンクの「志」を中心に据えた事業創出文化は、AGENTIC STARのような大型プロジェクトを生む土壌として機能した。一過性のコンテストではなく、長期にわたって続けることが、こうした成果を生む条件である。

関連項目

参考文献・出典

成功の鍵

1

専用仮想環境×長期記憶のセキュア設計

組織のナレッジを蓄積できる長期記憶と、安全に利用できる専用仮想環境の組み合わせ。エンタープライズ用途で求められるセキュリティ・ガバナンス要件を満たす設計。

2

3形態(SaaS・外部接続・SDK)での柔軟提供

SaaS型、外部接続型、SDKパーツ提供型の3形態で利用企業の導入レベルに応じて柔軟に組み込める設計。導入ハードルを段階的に下げる構造。

3

幅広い業務領域への対応

アプリ開発、画像・動画生成、リサーチ・分析など、業務領域を限定しない汎用プラットフォームとして設計。多様なユースケースを単一基盤で実装可能。

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