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事業会社

全日本空輸

All Nippon Airways Co., Ltd.

日本最大の航空会社。社内提案制度「ANAバーチャルハリウッド」から生まれた「Universal MaaS」など、現場社員の発案を事業化する仕組みで移動の課題解決に挑んでいる。

企業概要
企業名
全日本空輸
業種
航空
所在地
東京都港区東新橋
創業
1952年
公式サイト
www.ana.co.jp

企業概要

全日本空輸株式会社(ANA)は、ANAホールディングス傘下の航空事業会社であり、国内線・国際線の旅客数で 日本最大 の航空会社である。1952年にヘリコプター2機で創業して以来、日本の空のインフラを支えてきた。本稿では、持株会社であるANAホールディングスではなく、事業会社としてのANAが取り組む新規事業創出活動に焦点を当てる。

新規事業への取り組み

ANAバーチャルハリウッド(現 Da Vinci Camp)

ANAの新規事業創出の核となるのが、社内提案制度 「ANAバーチャルハリウッド」 (現・Da Vinci Camp)である。2018年7月にスタートしたこの制度は、グループ社員が自発的に事業アイデアを提案し、仲間を集めて事業化を目指すボトムアップ型のプログラムである。「 『移動』の概念を変えて、誰もが自由に移動できる社会を創る 」をコンセプトに掲げ、航空事業の枠にとらわれない提案を奨励している。

Universal MaaS:移動をあきらめない世界

ANAバーチャルハリウッドから生まれた最も注目すべき事業が 「Universal MaaS」 プロジェクトである。発案者の大澤信陽氏が、岡山県に住む車いす利用者の祖母が移動を諦めている現実を目の当たりにしたことがきっかけとなった。

「移動を躊躇している人々に向けて、出発地から目的地までの各事業者間が連携することで、自らの力であきらめずに不安なく移動できる社会を、産学官連携で創ることを目指す」

――Universal MaaS公式サイト

Universal MaaSは、障がい者・高齢者・訪日外国人など、何らかの理由で移動にためらいを抱える人々( 移動躊躇層 )に対し、航空・鉄道・バス・タクシーなどの交通事業者間をシームレスに連携させるサービスである。2019年にはANA企画室内に MaaS推進部 が設立され、本格的な事業化に向けて動き出した。渋谷区との共同実証実験など、産学官連携で社会実装を進めている。

主な新規事業・事例

avatarin(持株会社発の事業)

avatarin(アバターイン)は、ANAグループの社内ビジネスコンテストから生まれ、2020年にANAホールディングスからカーブアウトした遠隔操作アバター事業である。事業会社であるANAの現場社員の知見が、アバターの活用シーン設計に活かされている。詳細はANAホールディングスのページを参照。

その他の取り組み

ANAは航空事業の現場から生まれるアイデアを事業化する風土を持つ。客室乗務員や地上スタッフが日々の業務で感じる「 不便」や「もったいない」 を起点にした改善提案は、航空サービスの品質向上にとどまらず、新たなサービス開発の種となっている。

アプローチと特徴

ANAの新規事業創出の特徴は、 現場起点の課題発見 にある。Universal MaaSの事例に顕著なように、日常業務や個人的な体験から社会課題を発見し、それを事業化する流れが制度として確立されている。

航空会社という事業特性上、ANAには全国の空港ネットワーク、 年間数千万人の顧客接点 、そして移動データという独自のアセットがある。これらを外部パートナーと共有し、移動に関する社会課題の解決に活用する姿勢は、オープンイノベーションの実践例である。

親会社であるANAホールディングスが出島戦略で独立組織を設置する一方、事業会社のANAは現場社員のボトムアップ提案を重視する。この トップダウンとボトムアップの両輪 が、ANAグループの新規事業創出の強みとなっている。

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