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事業会社

ウーブン・バイ・トヨタ

Woven by Toyota, Inc.

トヨタ自動車の子会社として2021年に設立されたソフトウェア・モビリティ専門会社。Woven Cityの開発・運営、自動車OS「Arene」の開発、自動運転技術の実証を担う。トヨタのモビリティカンパニー転換を技術・インフラ両面で推進する実行体。

企業概要
企業名
ウーブン・バイ・トヨタ
業種
ソフトウェア / モビリティ / スマートシティ / 自動運転
所在地
東京都中央区
創業
2021年
公式サイト
woven.toyota

新規事業の歴史

History & Evolution

2020

CES 2020でWoven City構想発表

豊田章男社長(当時)がラスベガスのCESで「テストコースとしての街」を発表。旧東富士工場跡地に実証都市を建設すると宣言。

2021

ウーブン・プラネット設立・Woven City起工式

2021年1月に持株会社「Woven Planet Holdings」設立。2月23日に起工式を挙行し、実験都市の建設を開始。

2021

KINTO設立・MaaS事業本格化

トヨタグループのモビリティサービス専門会社「KINTO」がサービス提供を本格展開。サブスクリプション型クルマ利用を推進。

2022

Arene OS 開発加速

車両向けソフトウェアプラットフォーム「Arene」の開発を本格化。SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)戦略の中核と位置付け。

2023

ウーブン・バイ・トヨタに社名変更

Woven Planet Holdingsからウーブン・バイ・トヨタへ社名変更。トヨタとの一体的な連携をより明確化。

2025

Toyota Woven City Phase1オフィシャルローンチ

2025年9月25日に実験都市の実証を正式開始。インベンター企業19社・居住者100名規模でのリアルワールド実証がスタート。

【概要】「モビリティカンパニー」転換の実行体

ウーブン・バイ・トヨタは、トヨタ自動車が「自動車をつくる会社」から 「モビリティカンパニー」 への転換を宣言した2020年代において、その転換を技術とインフラの両面で実行する中核子会社として設立された。前身は2021年1月設立の「Woven Planet Holdings」であり、2023年に現社名へ変更。トヨタグループ内でソフトウェア開発・実証都市運営・自動運転技術の開発を専門的に担う。

トヨタが推進する三つの重点領域——Woven City(実証都市)・Arene OS(車両ソフトウェア基盤)・自動運転技術——を一体的に開発・運用することで、トヨタグループ全体の変革を牽引する役割を担っている。

【Woven City】生活空間を「テストコース」にする

ウーブン・バイ・トヨタの最も象徴的なプロジェクトが、静岡県裾野市に建設した実験都市 Toyota Woven City である。2025年9月25日に Phase1 のオフィシャルローンチを迎え、インベンター企業19社・居住者100名規模での実証が正式に始まった。

「生きたラボ」の設計思想

従来の自動車開発は、テストコースや実験施設での検証が中心だった。しかし自動運転・スマートホーム・エネルギーマネジメントといった次世代技術は、「人が実際に生活する空間」でしか検証できない側面がある。Woven Cityはこの課題に対し、街全体をデータ収集・技術検証の場として設計するという逆転の発想から生まれた。

「Woven(織り込む)」の名称が示すように、街は三種類の道路——高速モビリティ用・低速モビリティ用・歩行者専用——が網の目状に織り込まれた設計を持つ。全域に コネクテッドインフラ が整備され、居住者の移動・行動・健康・エネルギー消費のデータが継続収集される。

「街全体をテストコースとして機能させ、データやAIを駆使した先駆的な取り組みを進めています」

――Woven by Toyota 公式コメント(IT Leaders、2025年)

Phase1の実証内容

2025年9月から始まった Phase1 では、以下の要素が実証環境として整備されている。

  • 自動運転シャトル: 街内移動に電動自律シャトルを運行
  • パーソナルモビリティ: 小型電動移動デバイスの日常利用実証
  • スマートホームデバイス: AI・IoT機器を組み込んだ居住空間での生活行動学習
  • 水素エネルギー: 燃料電池・太陽光による自立型エネルギーシステム
  • ロボット: 配送・清掃など日常業務支援ロボットの継続使用検証

インベンター企業にはダイキン工業(スマート空調)・日清食品(フードテック)・UCCジャパン(飲料)・増進会HD(教育)などが参画し、モビリティ以外の生活領域での実証も並行して進む。最終的に 2,000名規模 の居住を目指し、2026年度以降は一般参加者の募集も計画されている。

【Arene OS】クルマを「ソフトウェアで定義する」

ウーブン・バイ・トヨタが技術開発の中核に位置付けるのが、車両向けソフトウェアプラットフォーム Arene OS である。スマートフォンのOSのように、クルマの機能をソフトウェアアップデートで継続的に改善・追加できる仕組みを提供し、SDV(Software Defined Vehicle:ソフトウェアで定義されるクルマ) の実現を目指す。

テスラが先行したOTA(Over-The-Air:無線ソフトウェア更新)戦略に対し、トヨタはArene OSを通じて「クルマを売って終わり」のビジネスモデルから サービス型の継続収益モデル への転換を図る。Woven Cityはこの技術の「リアルな生活環境でのテストコース」としても機能する。

【KINTO・e-Palette】MaaSとモビリティサービスの展開

トヨタのモビリティカンパニー戦略には、ウーブン・バイ・トヨタと連携する複数の事業軸がある。

KINTO(キント) は2019年設立のトヨタグループのモビリティサービス専門会社である。トヨタ車のサブスクリプション型利用サービス「KINTO ONE」や、カーシェアリング「KINTO Share」などを展開し、「クルマを所有する」から「クルマを利用する」 への顧客行動変容を促すMaaSビジネスを展開している。2025年時点でKINTO ONEの契約台数は国内で25万件を超えており、モビリティサービスの実績データをトヨタグループ全体の戦略に還元している。

e-Palette(イーパレット)は、2018年のCESで発表した自律移動型多目的電気自動車(EV)である。物流・移動販売・医療・宿泊など、ボディ内部を用途に応じてカスタマイズできる設計で、2021年東京オリンピック・パラリンピックの選手村での輸送に活用された。Woven Cityでの運行実証を経て、MaaSインフラとしての本格展開を視野に入れている。

【オープンイノベーション戦略】異業種19社との共創

Woven Cityへの参画企業(Inventors)はトヨタグループ10社に加え、異業種9社を含む 19社体制(2025年8月時点)へと拡大した。この構造は、単なる技術実証に留まらず、オープンイノベーション型の新規事業共創プラットフォームとして機能する。

各Inventorは、Woven Cityのコネクテッドインフラを利用して自社プロダクト・サービスを実証し、居住者の実際の使用データを取得できる。トヨタにとっては、モビリティ以外の生活領域のデータを集積し、次世代スマートシティサービスの設計に活かす仕組みとなっている。

出島戦略の観点から見ると、ウーブン・バイ・トヨタそのものがトヨタ本体から一定の独立性を持つ「出島」として機能しており、ソフトウェア開発のスピードとトヨタの製造業的意思決定スタイルの差異を吸収する役割を担っている。

【課題と展望】実証から社会実装への橋渡し

Woven City・Arene OS・KINTOという三つの事業軸を持つウーブン・バイ・トヨタが直面する最大の課題は、「実証の成果を既存事業にどう接続するか」 という点である。実験都市での知見が、年間1,000万台を超えるトヨタの量産車にどう組み込まれるのか。Arene OSがグローバルに販売されるトヨタ車の標準プラットフォームとなる道筋は、まだ具体化の途上にある。

2030年に向けた展望として、ウーブン・バイ・トヨタは以下の方向性を持つ。

  • Woven City Phase2(2,000名規模)への拡大と、実証知見のグローバル展開
  • Arene OSの外部自動車メーカーへのライセンス展開(「モビリティOS」プラットフォームへ)
  • e-Palettの商用展開加速とMaaSエコシステムの拡大
  • Woven Cityで蓄積した都市データのビジネス活用

実証都市という唯一の実験場」を持つウーブン・バイ・トヨタの競争優位は、他の自動車メーカーが短期間では模倣しにくい差別化要因である。問われるのは、実証で得た知見を「スピード感を持って事業に変換する」組織能力である。

関連項目

参考文献

成功の鍵

1

Woven Cityによる生活空間実証

静岡県裾野市の実験都市を「生きたラボ」として活用。自動運転・スマートホーム・エネルギーマネジメントを日常生活の文脈で継続検証する。

2

Arene OS(車両OS戦略)

車両をソフトウェアで定義するSDV戦略の核心。OTA(無線更新)で機能を継続進化させ、「売り切り」から「サービス型収益」への転換を目指す。

3

e-Palette(自律移動サービス)

自律移動型多目的EV。物流・移動販売・医療など多用途展開を前提に設計され、MaaS時代の移動インフラを担う。

4

オープンイノベーション型実証

異業種19社のInventorsが参画し、自社技術の生活空間実証を共同実施。エコシステム型の新規事業共創モデルを体現。

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