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用語集

NPS(ネット・プロモーター・スコア)

NPS(Net Promoter Score / ネット・プロモーター・スコア) とは、「このプロダクト(サービス)を友人や同僚にどの程度勧めたいか」を0〜10の11段階で顧客に尋ね、推奨者(9〜10)の割合から批判者(0〜6)の割合を引いた値である。ベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルドが考案した指標で、-100から+100の範囲で表される。顧客満足度調査よりもシンプルかつ、事業成長との相関が高いとされる。

大企業の新規事業において、NPSは「プロダクトが顧客に本当に支持されているか」を客観的に把握するための指標となる。以下では、NPSの算出方法、活用場面、改善のための具体的アクションについて解説する。


顧客満足度が高いのに解約が止まらない矛盾

新規事業チームが定期的に顧客満足度アンケートを実施し、5段階評価で平均4.2という高い評価を得ている。しかし、月次の解約率は改善されず、新規顧客の紹介もほとんど発生しない。 「満足している」と答えた顧客が実際にはプロダクトを積極的に支持していない という矛盾が生じている。

従来の顧客満足度調査は質問項目が多く回答率が低い、「やや満足」と「非常に満足」の違いが行動に結びつかないなどの問題がある。 顧客の本当のロイヤルティを1つの質問で計測 できる指標が必要である。

NPS改善により紹介経由の新規獲得が3倍に

ある大企業発のBtoB SaaS新規事業は、初回のNPS調査で スコアが+12 であった。推奨者が30%、中立者が52%、批判者が18%という内訳である。チームは批判者への個別ヒアリングを実施し、 オンボーディングの不備と初期設定の複雑さ が主な不満要因であると判明した。

オンボーディングプロセスを刷新し、専任のカスタマーサクセス担当を配置した結果、6か月後のNPSは +42 に向上した。推奨者が55%に増加し、紹介経由の新規顧客獲得が 四半期あたり5社から15社へと3倍 に増加した。NPSの改善が直接的にビジネス成長に寄与した事例である。

NPSを効果的に活用する3つのポイント

  1. 定期的に計測し、トレンドを追跡する:NPSは一度の計測ではなく、四半期ごとなど定期的に計測してトレンドを把握することに価値がある。スコアの絶対値よりも 変化の方向と速度 に注目し、施策の効果を定量的に検証する。計測タイミングはプロダクトの利用サイクルに合わせて設定する
  2. スコアだけでなく理由を深掘りする:NPSの数値評価の後に「その理由を教えてください」という自由記述を設ける。批判者の声からは改善すべき課題が、推奨者の声からはプロダクトの強みが明らかになる。 定量と定性の両面 から顧客の声を捉えることが重要である
  3. セグメント別に分析する:顧客の業種、規模、利用期間、プランなどのセグメントごとにNPSを算出し、どのセグメントで支持が強いか、どこに課題があるかを特定する。LTVの高い顧客セグメントのNPSが低い場合は、優先的に対策を講じる必要がある

NPS調査を設計し、改善サイクルを回す手順

まず、NPSの調査方法を設計する。メール、アプリ内ポップアップ、SMS等の配信手段を決め、 回答率が最も高い方法 を選択する。質問は2問に絞る。「0〜10でどの程度勧めたいか」と「その理由」の2問である。

調査結果が得られたら、推奨者(9〜10点)にはお礼と紹介プログラムの案内を送る。中立者(7〜8点)には推奨者に変えるための改善ポイントをヒアリングする。批判者(0〜6点)には 48時間以内に個別対応 し、不満の根本原因を解決する。この「 計測→分類→対応→再計測」のサイクルを四半期ごとに回す。

プロダクトの真の支持率を知りたいチームへ

NPSの活用が特に有効なのは、顧客満足度は把握しているが顧客のロイヤルティや推奨意向を定量的に計測できていない新規事業チームである。また、カスタマーサクセスの成果を経営層に報告するための客観的な指標を必要としているチームにとっても、NPSは有力なKPIとなる。

特にBtoB SaaSでは、NPS推奨者からの紹介が最も質の高い新規リードとなることが多く、NPSの改善がCACの低減に直結する。

顧客ロイヤルティの計測を始めよう

まずはNPS調査を実施し、現在のスコアをベースラインとして設定しよう。顧客満足度との違いを理解し、NPSがカスタマーサクセスカスタマーハピネスの取り組みとどう連動するかを整理する。NPSの改善はLTVの向上に直結するため、プロダクト改善と顧客対応の両面から継続的に取り組もう。

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