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事業会社

ENEOS

ENEOS Corporation

石油元売り国内最大手。社内ベンチャープログラム「Challenge X」から初のスタートアップを輩出し、エネルギー転換期における新規事業創出を加速する。

企業概要
企業名
ENEOS
業種
エネルギー / 石油精製
所在地
東京都千代田区
創業
1888年
公式サイト
www.eneos.co.jp

企業概要

ENEOS株式会社は、 1888年に創業 した石油元売り国内最大手である。ENEOSホールディングスの中核事業会社として、石油精製・販売、石油化学、金属、電力など幅広いエネルギー事業を展開する。全国に約12,000カ所のサービスステーション網を持ち、 国内燃料油販売シェアは約50% に達する。

カーボンニュートラル社会の実現に向けた長期ビジョンのもと、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」の両立を目指している。その中で 社内ベンチャープログラム「Challenge X」 を軸に、社員発の新規事業創出を推進している。

新規事業への取り組み

ENEOSの新規事業戦略は、 「Challenge X」と「No Limit!」 の2つのプログラムを中核としている。

「Challenge X」 は、グループ会社を含む約15,000名の社員を対象とした社内ベンチャープログラムである。年に一度、新規事業アイデアを公募し、最優秀賞に選ばれた最大2件の事業案の起案者は、翌年4月に未来事業推進部に異動して事業化に専念する。 起案者に100%のコミットメント を求める本気度の高い設計が特徴的である。

「No Limit!」 は、仮説検証やビジネスアイデアの磨き込みを通じて、事業創出に必要なスキルとアントレプレナーシップを涵養する支援プログラムである。Challenge Xへの応募を促す土壌づくりの役割を果たしている。

主な新規事業・事例

ENEOSアメニティ — Challenge X発の第1号スタートアップ

ENEOSアメニティ株式会社 は、Challenge Xから生まれた初のスタートアップ企業である。主力製品は 「ENEOSドライアイスジャケット」 で、ドライアイスを最大8個内蔵できる冷却ベストを暑熱環境の作業現場にパッケージで提供する。

この製品は、ENEOSグループの製造現場で働く 約700名の作業者の声 をもとに独自開発された。熱中症対策というニーズに対して、ENEOSが持つドライアイスの流通網と、現場作業者の知見を掛け合わせたイントラプレナーの典型的な成功事例である。2024年6月にはENEOSホールディングスが出資し、本格的な事業拡大に着手した。

カーボンオフセットサービスの実証実験

Challenge Xの仕組みを活用し、 カーボンオフセットサービス の実証実験も開始されている。サービスステーション網を活用したCO2排出量の見える化と相殺の仕組みを、短期間でプロトタイプ開発し実証に至った。アイデアから実証までの スピード開発 が実現できた事例として、社内での評価が高い。

アプローチと特徴

ENEOSの新規事業戦略で特筆すべきは、 「出島への駐在」 という考え方である。経営幹部自らがスタートアップとの共創拠点に常駐し、意思決定の権限を現場に持ち込む。本社から離れた場所で新規事業を育てる出島戦略を、組織の上層部が実践している点は異色のアプローチである。

一方で、 2025年度には未来事業推進部の再編 が予定されており、CVC機能やChallenge Xの事務局は企画部へ、事業開発機能は中央技術研究所の事業開発組織に統合される。新規事業の推進体制が転換期を迎えている。

石油元売りという成熟産業において、約15,000名の社員から新規事業のアイデアを募り、起案者がスタートアップの経営者として独立するまでの道筋を制度化した意義は大きい。エネルギー転換期における大企業の新規事業モデルとして注目に値する。

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