サントリー
Suntory Holdings Limited
サントリーの新規事業・社内起業をwikiで解説。「やってみなはれ」精神を文化に持つ清涼飲料・酒類メーカーが、自社R&Dを活かした「IN MIST」等、社内起業制度と外部アクセラレーターを組み合わせた事業創出に注力する全容。
企業概要
- 企業名
- サントリー
- 業種
- 飲料・酒類・ヘルスケア
- 所在地
- 大阪府大阪市北区
- 創業
- 1899年
- 公式サイト
- www.suntory.co.jp
新規事業の歴史
History & Evolution
鳥井商店を創業
鳥井信治郎が大阪でぶどう酒の製造販売業を創業。「やってみなはれ」精神の原点。
国産ウイスキー事業に着手
山崎蒸溜所の建設を開始。日本初の本格ウイスキー製造という前例のない挑戦を決断。
ビール事業へ参入
「サントリービール」を発売。先行する大手に挑む挑戦者として、45年越しのビール事業黒字化を達成。
健康食品事業の本格展開
「セサミンEX」を中心とした通信販売事業を拡大。基礎研究力を活かした新領域への進出。
ビーム社を買収しグローバル化
約1兆6千億円でアメリカのビーム社を買収。「やってみなはれ」精神による過去最大の戦略投資。
社内ベンチャー制度を本格始動
外部アクセラレーターとの連携による新規事業創出スキームを構築。社員の起業家精神を制度化。
IN MIST事業化
ミスト型サプリメント「IN MIST」がグッドデザイン賞を受賞。社内ベンチャーの成功モデルに。
事業事例
SUNTORY+ ― サントリー食品が仕掛けた法人向け健康経営支援サービス
元任天堂のクリエイターが主導し、サントリー食品インターナショナル初の大規模デジタルプロダクトとして2020年にローンチ。「超低ハードル」の健康行動を習慣化する無償アプリで、導入企業1,300社超を達成した新規事業の事例。
IN MIST ― サントリー発・ミスト型サプリメントが切り拓いた新しい摂取体験
サントリーの社内ベンチャー制度から誕生したミスト型サプリメント「IN MIST」。外部アクセラレーターへの出向スキームを活用し、大企業の資産とスタートアップのスピードを両立させた開発プロセスと事業化の軌跡を解説する。
企業概要
サントリーホールディングス株式会社は、大阪市に本社(登記面)を置く、日本を代表する総合飲料・酒類・食品メーカーである。1899年(明治32年)に鳥井信治郎によって創業されたのち、「赤玉ポートワイン」や国産初の本格ウイスキー「角瓶」など、数々の革新的なプロダクトによって日本の洋酒文化を切り拓いてきた。
同社の根底に流れる哲学が、不可能に思えることにも恐れずに挑戦する 「やってみなはれ」 の精神である(創業者・鳥井信治郎の口癖として知られる)。この強固なDNAは、現代のグローバル化の波や新規事業開発においても受け継がれ、アメリカのビーム社買収などの大規模な戦略投資による多国籍化や、「水と生きる」というコーポレートメッセージを通じた水源保全・サステナビリティ活動の推進など、日本の企業文化の象徴的な存在として知られる。
事業内容・特徴
サントリーグループの事業は大きく分けて3つの柱から成る。
一つ目は「酒類事業」。「ザ・プレミアム・モルツ」などのビール類や、「山崎」「響」などの世界的評価を受けるジャパニーズウイスキー、チューハイやワインなどを展開。 二つ目は「飲料・食品プラットフォーム事業」。「伊右衛門」「サントリー天然水」「BOSS」といった圧倒的なシェアを誇るソフトドリンクを国内外で展開している。 三つ目は「健康食品・ウエルネス事業」。「セサミンEX」に代表されるサプリメント事業であり、長年の長寿・健康科学研究に基づく品質への信頼から、直販ビジネス(通信販売)において日本屈指の規模を誇る。
研究開発体制がきわめて強固であり、酵母、発酵、水抽出、香り分析などの基礎基盤技術を高度に体系化している。
イノベーションへの取り組み
市場の変化が激しい消費財メーカーにおいて、サントリーは常に製品レベルでのイノベーション(新商品の投入など)を行ってきた。しかし近年は、既存の枠組みからさらに一歩踏み出し、全く新しいビジネスモデルや製品カテゴリーを生み出すための「社内ベンチャー(新規事業創出)プロセスの整備」に注力している。
「やってみなはれ」の精神を仕組みとして落とし込むべく、社内提案制度を充実させるとともに、起案されたアイデアの事業化スピードを上げるための独自のスキームを導入している。最大の特色は、自社内のシステムや承認プロセスの中だけで事業化を進めるのでなく、外部のアクセラレーター機関(株式会社ゼロワンブースターなど)とパートナーシップを結び、起案した社員を早期に外部へと出向させ、スタートアップと同じアジャイルな環境下で独立性高く検証・開発を回す「ハイブリッド型のオープンイノベーション」を採用している点である。
主な実績・ケース
上述の「社外アクセラレーターへの出向を伴う社内ベンチャー」として実を結んだ代表的なケースが、長田知也を事業代表とするミスト型サプリメント事業 「IN MIST(イン ミスト)」 である。
長田は自社が強みとする健康食品領域において、「水で飲むのが面倒」という顧客の生々しいペイン(不満)に着目し、口の中に直接スプレーして粘膜から素早く栄養を吸収させるという全く新しいアプローチを提案した。既存のリソースでは製造ロットや開発の制約が大きかったが、ゼロワンブースターの環境下でスピーディーに開発を進めたことで、斬新なプロダクトをいち早く世に問い、グッドデザイン賞を受賞するなど市場の評価を獲得した。大企業のポテンシャルとベンチャーの機動力の最適解を示した好例である。
関連項目
参考文献
成功の鍵
「やってみなはれ」の制度化
創業者精神を仕組みに落とし込み、社内提案制度と外部アクセラレーターを組み合わせたハイブリッド型の新規事業創出プロセスを整備。
出向型オープンイノベーション
起案した社員をゼロワンブースター等の外部環境に出向させ、スタートアップと同じアジャイルな条件下で事業検証を行う独自スキーム。
研究開発力の異分野展開
酵母・発酵・水抽出・香り分析などの強固な基礎基盤技術を、既存の飲料・酒類の枠を超えた新カテゴリー創出に応用。
関連項目
関連ページ
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