優先引受権
優先引受権(Right of First Refusal / ROFR) とは、スタートアップの投資契約・株主間契約において既存の投資家や株主が持つ優先的な株式取得権の総称である。実務上は**新株引受優先権(プロラタ権)と株式譲渡優先権(先買権)**の2種類に分けて用いられ、目的・条件・効果が異なる。
定義
新株引受優先権(プロラタ権) は、会社が新株を発行する際に既存投資家が持分比率に応じて優先的に引き受けられる権利である。これにより投資家は追加投資を行うことで自分の持分比率の希薄化(ダイリューション)を防ぐことができる。新規ラウンドで大量の株式を発行する場合も、プロラタ権行使により既存投資家のシェアが守られる。
株式譲渡優先権(先買権・ROFR) は、既存株主が保有株式を第三者に売却しようとする際、他の既存株主または会社が同一条件で優先的に購入できる権利である。売却希望者は第三者から受けたオファー条件を他の株主に通知し、既存株主はその条件で購入するかどうかを一定期間内に決定する。行使しない場合、売却希望者は当初の第三者へ売却できる。
主な特徴
- プロラタ権は新ラウンドへの追加投資機会の確保であり、投資家には「権利」であって「義務」ではない
- 先買権(ROFR)は株主構成の管理手段であり、好ましくない第三者が株主になることを防ぐ機能を持つ
- 日本のスタートアップ投資においては、先買権は株主間契約に規定されることが多い一方、ドラッグアロング(M&A強制賛同権)はスタートアップ側が受け入れにくいため交渉の焦点になりやすい
- ROFRと合わせて共同売却権(Co-Sale Right / タグアロング)が設定されることが多く、一方の株主が持分を売却する際に他の株主も同条件で持分売却できる権利が附帯する
- ROFR の通知期間・行使期間は契約で定め、通常30〜60日程度が標準とされる
さらに詳しく
優先引受権はスタートアップのライフサイクルを通じて複数の文脈で機能する。シード〜シリーズAの段階では、エンジェル・シードVCがプロラタ権を行使してフォローオン投資を行い、有望投資先での持分を維持しようとする。この時期のROFRは創業者の大量株式売却防止を主目的とする。
レイターステージでは、既存VCが次のVCラウンドでのプロラタ権行使を通じてラウンドの一部を確保しようとする。また、セカンダリー取引(既存株主が持分を第三者に売却する取引)の増加に伴い、ROFRの実務的重要性が高まっている。
日本の投資実務では、米国標準のベンチャーディール構造(YCombinator方式の投資家権利合意書等)との差異が残る。プロラタ権は国内VCも標準的に要求するが、先買権の実効性確保のための条項設計(通知義務・違反時の効力等)は契約書ごとに異なる部分が多い。
関連項目
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