人物概要
北川拓也は、楽天グループ株式会社の常務執行役員・最高データ責任者(CDO)である。ハーバード大学で理論物理学の博士号を取得後、物理学者から転身し楽天のデータ・AI戦略を統括する。楽天グループ全体のデータサイエンス組織を立ち上げ、EC・金融・ロジスティクス・広告・医療など主要事業領域へのAI実装と、外部向けAIビジネスモデルの構築を主導している。
1985年生まれ。灘中学・灘高校卒業後、ハーバード大学に進学し数学・物理学を最優等(Summa Cum Laude)で卒業。ハーバード大学院博士課程で理論物理学を専攻し博士号を取得した後、楽天に入社した。
経歴
楽天入社後、データサイエンス組織をゼロから構築するミッションを担った。従来のIT系企業が分析部門として持つデータチームとは一線を画し、「事業の競争力の源泉としてのデータ・AI」というコンセプトで組織設計を行った。
現在は楽天グループ全体のAI戦略を担い、内部向けのグループ会社パフォーマンス向上支援と外部向けのAIビジネスモデル創出の両面を統括する。楽天が事業展開するEC・金融・ロジスティクス・デリバリー・広告・メディカルのほぼすべての領域で、AIを活用した新規事業と既存事業の高度化に関与している。
データ哲学と事業開発アプローチ
北川の思想の核にあるのは、「AIとデータで人々の幸福(Well-being)を追求する」という哲学だ。データは事業効率化のツールにとどまらず、人々が何を望み・何を必要とし・どのような状態にあるかを理解するための手段として位置づけている。
この哲学は、予防医学の専門家・石川善樹氏との共同設立による公益財団法人 Well-being for Planet Earthの活動にも現れている。同財団は企業・学術・政府の枠を超えたウェルビーイング研究の支援を行う組織だ。
「AIで幸せを追求したい。物理学者としての分析思考と、事業家としての実装力で、データを人々の豊かさに直結させる」
―― 北川拓也氏(日経クロステック等インタビューより)
大企業でのデータ・AI新規事業創出という貢献
北川の楽天での軌跡は、大企業がデータ・AI組織を事業の核として位置づけるモデルケースとして参照される。外部のAIスタートアップをつかいこなすだけでなく、社内に本格的なデータサイエンス組織を構築し、複数の事業領域で新規のAIビジネスモデルを生み出す実践者として知られる。
「ハーバードで物理学の博士号を取った人材が日本の大企業でCDOを担う」という異例のキャリアパスは、国際的な技術人材が大企業の新規事業・データ組織をリードする先行事例として、日本の大企業のデータ・AI戦略議論でたびたび参照される。
関連項目
参考文献・出典
- 日経クロステック「AIで幸せ追求、物理学者から転身した楽天CDOの夢」 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nc/18/020600002/013100013/
- doda X「ハーバードから楽天最年少執行役員へ、学びの達人に聞く学習の極意」 https://doda-x.jp/article/390/
- ProCommit「ハーバード博士号を経て、楽天の執行役員へ」 https://www.procommitcareer.co.jp/growing/rakuten_kitagawa
- xDX「一人ひとりを幸福にするAI・データの利活用を追求したい|楽天グループ 北川 拓也」 https://www.xross-dx.com/article/feature/rakuten-2.html
- GLOBIS 知見録 北川拓也プロフィール https://globis.jp/person_articles/1832/