概要
『スタートアップM&A 知られざる急成長の仕組み』は、京都大学経営管理大学院特命教授・松本茂が2026年1月21日に東洋経済新報社から刊行した実務書である。著者は20年にわたり米国・中国を含む20カ国50を超えるクロスボーダーM&A案件に助言してきた実務家であり、現在は京都大学経営管理大学院に開設されたスタートアップM&A寄附講座の特命教授を務める。
本書の主題
日本のスタートアップEXITはIPOが大半を占め、M&AによるEXITの選択肢が限定的だった歴史的経緯がある。本書は、この構造を買収側(大企業)と売却側(スタートアップ)双方の合理的選択として捉え直し、なぜ日本でスタートアップM&Aが進まないのか、進めるためには何が必要かを実務目線で論じる。
経済産業省が2025年9月に公表した「スタートアップ投資契約ガイドライン(増補版)」では、IPOを唯一のゴールとせず、M&Aやセカンダリー取引も合理的なEXIT手段として明記すべきという考え方が示された。本書はこの政策的変化と並行する形で、スタートアップM&Aを日本の標準的EXIT手段の1つに引き上げるための実務的指針を提供する。
主な論点
- 買収側の意思決定基準:スタートアップ買収における戦略適合度、シナジー算定、買収価格の合理化
- 売却側の意思決定基準:創業者・株主・従業員の利益調整、税務・契約面の留意点
- PMI(買収後統合)の失敗パターン:買収後の文化統合、人材リテンション、自社ルール強要による価値毀損
- クロスボーダー案件の特殊性:著者自身のクロスボーダー50案件超の経験から抽出した示唆
著者の主張の核
東洋経済オンライン(2023年)に著者が寄稿した記事「スタートアップのM&Aが日本で進まない根本原因」では、「買った企業を自社のルールで縛ってはいけない」と論じている。本書はこの命題を、買収側の組織設計・PMI実務にまで落とし込む構成となっている。
買収後のスタートアップに自由度を保証する仕組み(例:別法人化の維持、報酬体系の独立、決裁ラインの分離)が、シナジー実現の前提条件となる、というのが著者の一貫した主張である。
想定読者
- 事業会社の経営企画・M&A担当者:スタートアップ買収を検討する大企業実務家
- スタートアップの創業者・経営陣:IPO 以外のEXIT選択肢を検討する起業家
- VC・PE のキャピタリスト:投資先のEXIT戦略を多様化させたい投資家
- 大学・大学院の研究者・学生:M&Aを学術的に学ぶ層
著者略歴
松本茂は神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。PwCディレクター、英HSBC投資銀行本部長、同志社大学大学院准教授、城西国際大学大学院教授を経て、現在は京都大学経営管理大学院特命教授。『海外M&A 新結合の経営戦略』(東洋経済新報社、2021年)で第16回M&AフォーラムRECOF奨励賞、『海外企業買収 失敗の本質 戦略的アプローチ』(東洋経済新報社、2014年)で第9回M&Aフォーラム正賞を受賞。
関連項目
参考文献・出典
- M&A Online「スタートアップM&A 知られざる急成長の仕組み」 https://maonline.jp/articles/book281
- Amazon.co.jp 書籍ページ https://www.amazon.co.jp/dp/4492558608
- researchmap「松本 茂 (Shigeru Matsumoto)」 https://researchmap.jp/7000018792
- 京都大学経営管理大学院「松本 茂 特命教授」 https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/faculty/475/
- 東洋経済オンライン「スタートアップのM&Aが日本で進まない根本原因」 https://toyokeizai.net/articles/-/700100
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