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事業会社

博報堂DYホールディングス

Hakuhodo DY Holdings Inc.

国内第2位の広告グループ。2010年開始のビジネス提案制度「AD+VENTURE」からオンライン追悼サービス「しのぶば」など独自の事業を創出。

企業概要
企業名
博報堂DYホールディングス
業種
広告 / マーケティング / メディア
所在地
東京都港区
創業
2003年
公式サイト
www.hakuhodody-holdings.co.jp

企業概要

株式会社博報堂DYホールディングスは、 2003年10月 に博報堂、大広、読売広告社の経営統合により設立された純粋持株会社である。2005年2月に東京証券取引所第一部に上場した。博報堂、大広、読売広告社、博報堂DYメディアパートナーズを中核に、 子会社・関連会社457社(2026年3月31日現在)、従業員数 約2万9,000人 のグループを構成し、広告・マーケティング領域で 国内第2位 の規模を持つ。

広告代理店グループとしてのクリエイティビティを活かし、 グループ横断型のビジネス提案・育成制度「AD+VENTURE」 を2010年から運営している。広告ビジネスの枠を超えた新規事業の創出に組織的に取り組む点が特徴的である。

新規事業への取り組み

博報堂DYグループの新規事業は、 「AD+VENTURE」 を中核とした社内起業制度によって推進されている。

AD+VENTURE は、 2010年に開始 されたグループ横断の社内公募型ビジネス提案・育成制度である。国内グループ会社(公式資料では 「グループ55社」 と記載)の正社員を対象に新規ビジネスアイデアを募集・審査し、事業化が承認されると新会社を設立、 最初の1年間はテスト期間 として位置づけられる。 「あなたも20代で社長になれるかも」 というメッセージで若手社員の挑戦を促してきた。

博報堂DYグループが掲げる制度の狙いは 「グループ全体の活性化、及び、イノベーション風土の醸成」 である。事業計画立案を支援する指南役を置き、 事業化に失敗しても元の部署に復帰できる 設計とすることで、挑戦のハードルを構造的に下げている。起業志向の強い社員にグループ内で挑戦の場を提供する仕組みが、結果として人材リテンションと事業ポートフォリオ拡大の双方に効いている。

2023年度 からは、日本を含むグローバルネットワークの全社員を対象とするグループ横断の社内ベンチャープログラム 「Ventures of Creativity(VoC)」 を開始した。 2024年8月1日 には、同プログラムの投資機能を担う特別目的会社 「Ventures of Creativity株式会社」(代表取締役・武田博男)を設立し、ビジネスコンテストで選出されたチームへのスタートアップ投資とアクセラレーションを行う体制を整えている。国内制度から グローバル全社員対象へと対象範囲を広げた 点が、近年の大きな変化である。

主な新規事業・事例

しのぶば — オンライン追悼サービス

「しのぶば」 は、AD+VENTURE発の子会社 AD plus VENTURE株式会社2021年6月7日 に提供を開始したオンライン追悼サービスである。プロの司会者が進行するオンライン追悼の集い、 よせがきムービー の制作、参列者のみが閲覧できる追悼サイトの提供を手がけた。

コロナ禍で葬儀への参列が制限される中、 「故人を偲ぶ場」がデジタルで代替できないか という課題意識から事業化に至った。葬儀社をセールスパートナーとする販売モデルを採用し、葬儀業界に新たな付加価値を提供している。博報堂グループのクリエイティブ力を活かした動画制作やサイトデザインが差別化要因となった。

iichi(いいち) — モノづくりC2Cマーケットプレイス

「iichi(いいち)」 は、AD+VENTUREから生まれた モノづくり生活者のC2Cマーケットプレイス である。日本国内のハンドメイド作家と世界中の購入者をつなぐプラットフォームであり、個人のクリエイティビティを商取引に変換する仕組みを提供した。博報堂グループが持つ 「生活者発想」 をビジネスモデルに落とし込んだ事例である。

アプローチと特徴

博報堂DYグループの新規事業アプローチは、 広告代理店ならではの「生活者インサイト」 を起点としている点に独自性がある。マーケティングリサーチで培った消費者理解の深さが、事業アイデアの発想源となっている。しのぶばが「故人を偲ぶ場のデジタル化」という生活者ニーズを捉えたように、市場の潜在的なペインを見つける力が強みとなっている。

AD+VENTUREが 15年以上にわたって継続運営 されている点も特筆に値する。多くの企業で社内ビジネスコンテストが数年で形骸化する中、制度の改善を重ねながら長期的に運営し続けることは容易ではない。Ventures of Creativity設立による投資機能の強化は、制度の進化を象徴する動きである。

広告ビジネスという無形のサービス産業から、プロダクトやプラットフォームを持つ実業への展開は、 「クリエイティビティの事業化」 という挑戦でもある。アイデアを形にする力を持つ広告グループが、自らそのアイデアの事業オーナーになるモデルを構築している。

関連項目

参考文献

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