コクヨ
KOKUYO Co., Ltd.
文具・オフィス家具大手。2021年発足のイノベーションセンターを中核に、防災ブランド「ソナエル」やIoTブランド「Hello! Family.」など社内起業の仕組みを確立。
企業概要
- 企業名
- コクヨ
- 業種
- 文具 / オフィス家具
- 所在地
- 大阪府大阪市
- 創業
- 1905年
- 公式サイト
- www.kokuyo.co.jp
事業事例
企業概要
コクヨは、 1905年 に黒田善太郎が「黒田表紙店」として創業した文具・オフィス家具メーカーである。和式帳簿の表紙製造から出発し、ノート「Campus」シリーズやオフィス家具、通販事業「カウネット」など 多角的な事業ポートフォリオ を築いてきた。
2026年5月1日、大阪市東成区から大阪市北区の「グラングリーン大阪」パークタワー14階へ本社を移転した。1936年以来90年ぶりの移転となる。「ワークとライフの境界を超え、一人ひとりの 『はたらく』と『まなぶ』 を革新する」を長期ビジョンに掲げ、文具メーカーからワーク&ライフスタイルカンパニーへの転換を進めている。
新規事業への取り組み
コクヨの新規事業推進の中核は、 2021年1月に発足した「イノベーションセンター」 である。未来のつくりたい社会を描き、そこからバックキャストでプロダクト開発を行うアプローチを採用している。
イノベーションセンターからは、コクヨ初の生活実験型集合住宅 「THE CAMPUS FLATS TOGOSHI」 (2023年9月)や見守り親子IoTブランド 「Hello! Family.」 、中高生専用まなび空間「自習室 STUDY WITH Campus」(2023年11月)などが生まれている。あわせて、勤続3〜18年の社員を対象とする育成プログラム「コクヨマーケティング大学」を運営し、顧客起点の課題解決人材の底上げを図っている。
主な新規事業・事例
ソナエル — オフィス防災ブランド
「ソナエル」 は、コクヨのオフィス防災ブランドである。「はたらくに よりそう 防災のかたち」をコンセプトに、 防災用品をオフィス環境に最適化 するという新たな市場カテゴリを切り開いた。
従来の防災市場は、他業界の製品を転用したものが大半であった。コクヨはオフィスの専門家としての知見を防災に応用し、モジュール型防災用品 「PARTS-FIT」 やエレベーター用防災キャビネット 「elecabi」 を開発した。
「防災をデザインする ─社会的意義を啓発するビジネスとデザインの在り方」
――それからデザイン スタッフブログ(2018年10月23日)
これらの製品は グッドデザイン賞2018ベスト100 に選出されたほか、Pentawards 2018 Silver、German Design Award 2020 Goldなど国際的なデザイン賞を受賞している。事業家とデザイナーのコンビネーションで市場を変革した事例として注目される。
イノベーションセンターDAY — 社内起業の可視化
コクヨは 「イノベーションセンターDAY」 を定期開催し、進行中の新規事業プロジェクトを社内外に公開している。新規事業家の守屋実氏を外部アドバイザーに招き、社内起業の方法論を社員に伝える取り組みも行っている。
アプローチと特徴
コクヨの新規事業アプローチは、 「自社のコア技術・知見を隣接市場に展開する」 戦略に立脚している。ソナエルはオフィス家具メーカーとしての空間設計力を防災に応用した例であり、既存事業との親和性が高い領域で新市場を創出している。
もう一つの特徴は、 バックキャスト型の事業開発 にある。未来の社会像を描き、そこから逆算してプロダクトを設計するアプローチは、既存事業の延長線上では見えない事業機会を発見する手法として機能している。イノベーションセンターDAYでは、新規事業家の守屋実氏がJR東日本の事例として「5年間・総勢10人で1,077案件を検討し、108件の実証実験を経て51件を事業化」した実績を紹介しており、こうした大量検証型の仕組みがコクヨ社内でも参照されている。
関連項目
参考文献
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