用語集
ラチェット条項(バリュエーション保護)
ラチェット条項(Ratchet Clause)とは、スタートアップへの優先株式投資において、後続ラウンドで前回の発行価格を下回る価格(ダウンラウンド)で株式が発行された場合に、既存優先株主の転換価格を自動的に引き下げて持分価値を保護する条項である。歯車(ラチェット)が一方向にしか回らない性質になぞらえて命名された。
定義
転換価格の引き下げにより、既存投資家が保有する優先株式の普通株式への転換枚数が増加し、実質的な持分比率の低下を補填する。主要な方式は2つある。フルラチェット方式(Full Ratchet)は、後続ラウンドの発行価格まで転換価格を全額引き下げる最も投資家保護の強い方式で、創業者・普通株主の希薄化が最大になる。加重平均方式(Weighted Average)は、新旧株式の数量と価格を加重平均して転換価格を調整する方式で、影響をより均等に分散する。加重平均方式には算入株式の範囲により「広義(Broad-based)」と「狭義(Narrow-based)」の2種がある。
主な特徴
- フルラチェットは投資家に最大限有利で、創業者持分を著しく希薄化させるリスクがある
- 加重平均方式はフルラチェットより穏和で、実務では主流の採用方式となっている
- 創業者視点では「調整なし > 広義加重平均 > 狭義加重平均 > フルラチェット」の順で有利
- 日本のIPO実績企業では2021〜2022年時点でフルラチェットの採用例は少数
- Pay-to-Play条項と組み合わせることで、追加投資に参加しない既存株主の保護を条件付けることができる
関連項目
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