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事業事例

Aeromuse設立——docomo STARTUPからパイロット採用プラットフォームがスピンアウト

航空 / HRテクノロジー #NTTドコモ #スピンアウト #社内起業 #エアライン #HRtech #docomo STARTUP
事業・会社概要
事業会社
NTTドコモ
業界
航空 / HRテクノロジー
設立/開始
2026年3月
開始年
2026年
代表者
野尻真宏
資本金
200万円
本社
東京都港区南青山3丁目1番36号 青山丸竹ビル6F
サービスサイト
aeromuse.jp
コーポレートサイト
www.docomo.ne.jp

History & Evolution

2023年7月

docomo STARTUP プログラム開始

NTTドコモグループ3社(NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTコムウェア)が社員のアイデアから新規事業を創出する「docomo STARTUP」を正式スタート

2026年3月

株式会社Aeromuse 設立

代表取締役社長に野尻真宏が就任。NTTドコモと千葉道場が出資。資本金200万円

2026年5月1日

事業開始・HUD SONiC 正式提供開始

エアライン向けパイロット採用プラットフォーム「HUD SONiC」の提供を正式に開始。docomo STARTUP 10社目のスピンアウト

課題・背景:世界で8万人のパイロット不足が見込まれる航空業界

2032年には世界で約8万人のエアラインパイロットが不足すると予測されており、各社の中途採用依存度は年々高まっている。しかしパイロット採用市場はデジタル化が遅れており、飛行時間・保有ライセンス・機種限定といった専門情報の確認が煩雑で採用期間の長期化が常態化している。

転職希望のパイロットが求人情報にアクセスしにくい構造も問題だ。業界に特化した採用プラットフォームが存在せず、「ログブック(飛行記録)」という業界固有のキャリア証跡がアナログのまま放置されてきた。

取り組みの経緯:docomo STARTUP 10社目の事業化

NTTドコモグループ3社(NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTコムウェア)は2023年7月、社員のアイデアから新規事業を生み出す「docomo STARTUP」を開始した。育成フェーズ(COLLEGE)→ コンテスト(CHALLENGE)→ 事業検証・成長支援(GROWTH)という3ステップで事業を育て、外部資金調達を伴うSTARTUPコースと親会社内で育てるAFFILIATEコースの2経路でスピンアウトを設計している。

ドコモ社員の野尻真宏がこのプログラムで航空業界の採用課題に着目し、パイロット向けデジタルログブックとエアライン向け採用マッチングを組み合わせたサービス「HUD SONiC」を開発。2026年3月に株式会社Aeromuseを設立し、同年5月1日に事業を正式開始した。出資はNTTドコモと起業家支援の千葉道場が担い、報奨金300万円(外部資本調達成功時にdocomo STARTUPが授与)も付与された。

NTTドコモの社員が新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」を通じて、世界中のパイロットとエアラインをつなぐ採用プラットフォームをスピンアウトしました。

― NTTドコモ プレスリリース(2026年5月12日)

サービス・事業の仕組み:ログブックのデジタル化が核

Aeromuse(エアロミューズ)が提供する「HUD SONiC」は2機能で構成される。パイロット向けにはフライト記録の手間を80%軽減する無料ログブックアプリを提供し、自身のキャリアデータを蓄積・管理できる。エアライン向けには、蓄積されたログブックデータをもとに要件合致パイロットへのダイレクトアプローチ機能を提供する。

業界固有のデータ構造(機種限定、飛行時間、ライセンス種別)を前提に設計されている点が汎用型求人サービスとの本質的な差異だ。採用プロセスのペーパーレス化マッチング精度の向上を同時に実現する構造になっている。

この事例から学べること

  • 大企業内の新規事業プログラムが機能するには、「起業リスクを本人が取れる制度設計」(復職保証・報奨金)と外部資本の組み合わせが不可欠であることを本事例は示している
  • 業界特有のアナログ課題(ログブック)をデジタル化する入口を先に確保し、そこからマッチング機能を接続する「足場から建てる」アプローチは、スタートアップが参入障壁の高い業界で地歩を固める典型的な成功パターンだ
  • docomo STARTUP の10社スピンアウト実績は、大企業が内部イノベーション・プログラムを継続運営することで生み出せる「量的な事業創出」の可能性を示している

関連項目

参考文献・出典

成功の鍵

1

特定課題への集中

パイロット不足という航空業界固有の課題に集中し、ログブック(飛行記録)のデジタル化という業界特有の未解決問題を起点に開発を進めた

2

親会社の資源とスタートアップの機動力の組み合わせ

NTTドコモの技術・信用力と、社外投資家である千葉道場の起業家ネットワークを組み合わせ、純粋なスタートアップにはない信頼性と資金調達力を確保した

3

社員の復職保証によるリスク軽減

docomo STARTUPのSTARTUPコースでは、事業撤退時の元会社への復職を可能とする制度設計がある。起業リスクを下げることで社内の優秀人材を外部機会へ解放した

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