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事業事例

LIFULL介護 ― 社内提案制度「SWITCH」から生まれた介護施設検索の最大手

不動産 / 介護 #介護 #子会社化 #新規事業提案制度 #プラットフォーム
事業・会社概要
事業会社
LIFULL senior
業界
不動産 / 介護
開始年
2008年
本社
東京都千代田区
サービスサイト
kaigo.homes.co.jp
コーポレートサイト
lifull-senior.com

History & Evolution

2006

SWITCH制度開始

LIFULLが社内新規事業提案制度「SWITCH」を始動。全従業員から年間100〜160件の事業提案を募集。

2008

「HOME'S介護」サービス開始

SWITCHから提案された介護施設検索サービスが事業化され、「HOME'S介護」として運営開始。

2015

株式会社LIFULL senior設立・子会社化

7月、介護事業をスピンオフし、独立した子会社として株式会社LIFULL seniorを設立。

2017

「LIFULL介護」にリブランド

親会社のリブランドに合わせ、「HOME'S介護」から「LIFULL介護」に名称変更。日本最大級の老人ホーム検索サイトへ成長。

「高齢社会」と「情報の非対称性」が生む課題

日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入し、2025年には団塊の世代が全員75歳以上となる「2025年問題」を迎えた。老人ホームや介護施設の需要は年々増加しているが、利用者とその家族にとって施設選びは極めて困難な作業である。

施設の種類は多岐にわたり、費用体系も複雑で、 情報が散在している のが実態である。地域の包括支援センターやケアマネジャーに相談しても、得られる情報には偏りがある。人生の重大な決断を迫られる場面で、十分な比較検討ができないという 情報の非対称性 が、介護市場の根深い課題であった。

SWITCHから生まれた介護施設検索サービス

LIFULLは2006年に社内新規事業提案制度 「SWITCH」 を開始した。年4回の開催で、子会社やグループ会社を含む全従業員から 年間100〜160件 の事業提案が集まる制度である。

SWITCHの最大の特徴は、入賞した事業案が承認されると 最短1年〜1年半で子会社として独立 し、提案者自身が経営者として事業に参画できる点にある。「100人の経営者を生み出す」という思想のもと、新規事業の担い手に経営の裁量と責任を与える仕組みが設計されていた。

この制度から2008年に生まれたのが、老人ホーム・介護施設の検索サービス 「HOME’S介護」 である。LIFULLが「HOME’S」で培った 不動産検索プラットフォームの技術とノウハウ を、介護施設検索に転用するという発想であった。住まい探しと施設探しは、構造的に類似した情報集約と比較検討のプロセスであり、技術の横展開として合理的な選択であった。

子会社化と「LIFULL介護」への成長

介護事業は順調に成長し、2015年7月に独立した子会社 株式会社LIFULL senior として設立された。LIFULLが同時期に設立した4つの新子会社のひとつであり、SWITCH制度の成功を体現する事例となった。

「社会課題を解決するビジネスは、短期的な利益だけでなく、長期的な社会的インパクトで評価されるべきである。介護領域は、まさにその象徴だった」

――2025年問題に立ち向かう介護市場(Morebiz)

2017年には親会社のリブランドに合わせて「LIFULL介護」に名称変更し、 日本最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト として確固たる地位を築いた。LIFULL seniorはその後、遺品整理業者の検索サービス 「みんなの遺品整理」 や、介護に関する情報メディア 「tayorini」 など、高齢社会の課題解決に向けたサービスラインナップを拡充している。

OPEN SWITCHによる制度の外部開放

LIFULLはSWITCHの取り組みをさらに発展させ、 「OPEN SWITCH」 として外部にも開放した。社外の個人や企業からもビジネスプランを募集し、LIFULLのリソースと組み合わせて社会課題解決に取り組むプログラムである。

不動産領域に特化した 「OPEN SWITCH with LIFULL HOME’S」 など、自社の事業ドメインと連携した外部公募も実施しており、社内提案制度がオープンイノベーションへと進化する先進的な試みとなっている。

この事例から学べること

第一に、本業の技術・ノウハウの「横展開」が新規事業の最短ルートであるということだ。 LIFULLの不動産検索プラットフォームの知見は、介護施設検索にほぼそのまま転用できた。全く新しい技術を開発するのではなく、既存の強みを異なる市場に適用することで、開発コストとリスクを大幅に削減できる。

第二に、「提案者=経営者」という制度設計が事業の本気度を高めるということだ。 SWITCHでは、提案者自身が子会社の経営者となる道が用意されている。この仕組みが、単なるアイデアコンテストとの決定的な違いを生む。自分のキャリアを賭けて事業に取り組む覚悟が、事業の成功確率を引き上げるのである。

第三に、社会課題型ビジネスは「長い時間軸」で評価すべきであるということだ。 LIFULL介護は2008年のサービス開始から子会社化まで7年、日本最大級のサービスへの成長までさらに数年を要した。介護市場のような社会課題型ビジネスは、短期的なROIではなく、市場の成熟と社会的インパクトを含めた長期的な視座での評価が不可欠である。

関連項目

成功の鍵

1

SWITCH制度の継続的運用

2006年から年4回、累計で多数の事業提案を集め続ける制度の持続力が、介護事業という大きな果実を生んだ。

2

不動産検索ノウハウの転用

「HOME'S」で培った物件検索プラットフォームの技術とノウハウを、介護施設検索に転用した発想力。

3

子会社化による経営の自律性確保

最短1年〜1年半で子会社化するSWITCHの仕組みが、提案者自身の経営参画を可能にし、事業の成長を加速。

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