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事業事例

uniiリサーチ ― LIFULLの社内起業から900社導入、スピンアウトへ

IT / リサーチ #リサーチ #プラットフォーム #スピンアウト #新規事業提案制度
事業・会社概要
事業会社
LIFULL
業界
IT / リサーチ
開始年
2020年
代表者
浜岡 宏樹
本社
東京都千代田区
サービスサイト
unii-research.com
コーポレートサイト
lifull.com

History & Evolution

2018

SWITCH初挑戦・不採用

浜岡宏樹が営業4年目で「部活動での教師負担軽減」をテーマに初応募するも不採用。

2019

SWITCH再挑戦・採択

2度目の挑戦で「教育系コンテンツ」をテーマに提案し入賞。事業検証ステージへ進出。

2020

uniiリサーチ正式ローンチ

9月、複数回のピボットを経て定性調査プラットフォーム「uniiリサーチ」を正式リリース。

2023

LIFULLからスピンアウト

4月、浜岡が株式会社プロダクトフォースを設立し、uniiリサーチ事業をLIFULLから独立させる。導入実績900社。

新規事業開発者が直面する「リサーチの壁」

新規事業の成否を決める最も重要なプロセスのひとつが、顧客インタビューによる仮説検証である。しかし、実際にインタビュー対象者を見つけることは容易ではない。従来のリサーチ会社に依頼すると、 数十万円の費用と数週間の期間 がかかるのが一般的であった。

特にスタートアップや大企業の新規事業チームにとって、限られた予算と時間の中で繰り返しリサーチを行うことは大きな負担であった。事業開発のスピードに、リサーチの手段が追いつかないという構造的な課題が存在していた。

SWITCHへの2度目の挑戦から始まった道

uniiリサーチを生み出したのは、LIFULLの社員であった浜岡宏樹である。営業4年目の2018年、浜岡はSWITCHに初めて応募した。テーマは「部活動での教師負担軽減」であったが、不採用に終わった。

翌年、浜岡は「教育系コンテンツ」をテーマに 2度目の挑戦 を行い、見事入賞を果たす。事業検証ステージに進出したものの、ここからが本当の試練であった。

「教育コンテンツの事業検証を進める中で、『興味を持つこと』と『お金を払うこと』は全く別だと痛感した。仮説検証の過程で、自分自身が『リサーチの手段がない』ことに最も困っていた」

――「事業開発の不」を解決する新規事業への挑戦(Incubation Inside)

約半年間に 複数回のピボット を繰り返す中で、浜岡は自分自身が体験している「事業開発のためのリサーチ手段がない」という課題こそがビジネスの種であることに気づいた。

最速即日・コスト1/10のインタビュープラットフォーム

2020年9月、浜岡は定性調査プラットフォーム 「uniiリサーチ」 を正式にリリースした。新規事業開発担当者とインタビュー協力ユーザーをマッチングするサービスであり、 最速即日 でインタビュー対象者を見つけることができる。費用は従来のリサーチサービスの 10分の1以下 という画期的な価格設計であった。

サービスの特徴は 成果報酬型の料金モデル にある。インタビュー1件ごとの課金であるため、初期コストを抑えたいスタートアップから、大量のインタビューを実施したい大企業まで、幅広い顧客層が利用できる設計となっている。さらに、1インタビューごとに 子ども支援NPOへ10円を寄付 する仕組みも組み込まれ、社会貢献と事業を両立させた。

営業資料を100社に送付したところ 10%の返信率 を得て、5社の受注を達成。3〜4ヶ月でKPI目標を達成し、事業として承認を受けた。

900社の導入実績を経てスピンアウト

uniiリサーチは急速に利用者を拡大し、上場企業からスタートアップまで 900社以上 の導入実績を積み上げた。そして2023年4月、浜岡は 株式会社プロダクトフォース を設立し、uniiリサーチ事業をLIFULLから完全にスピンアウトさせた。

SWITCHの制度理念である「提案者が経営者になる」という仕組みが、ここで結実したのである。LIFULLの社内リソースを活用して事業を育て、PMFを達成した段階で独立法人として巣立つ。この 「社内インキュベーション→スピンアウト」 というモデルは、大企業の新規事業創出の理想形のひとつと言える。

この事例から学べること

第一に、「2度目の挑戦」を許容する制度設計の重要性である。 浜岡は初回のSWITCH応募で不採用となったが、翌年に再挑戦して採択された。新規事業提案制度が単発のイベントではなく、年4回の定期開催であることが、失敗した起案者に再挑戦の機会を与えている。

第二に、自分自身の困りごとが最も確度の高いビジネスの種であるということだ。 浜岡は教育コンテンツの仮説検証中に「リサーチ手段がない」という自身のペインに気づき、それをサービス化した。事業開発者自身が最初のユーザーであるサービスは、課題の解像度が圧倒的に高い。

第三に、ピボットの回数ではなく、ピボットの方向性が事業の成否を決めるということだ。 浜岡は半年間に複数回のピボットを行ったが、その過程で「興味と課金対象は異なる」という本質的な学びを得た。ピボットは失敗ではなく、顧客理解を深めるためのプロセスである。重要なのは回数ではなく、各ピボットから何を学び、次の仮説にどう反映するかである。

関連項目

成功の鍵

1

2度目の挑戦と複数回のピボット

初回不採用を乗り越え、採択後も教育→リサーチへと大胆にピボットし、真の顧客ニーズに到達した粘り強さ。

2

「事業開発の不」という自分ごとの課題発見

新規事業の仮説検証中に「リサーチの手段がない」という自身の困りごとをサービス化した原体験。

3

成果報酬型の料金設計

インタビュー1件ごとの課金モデルが、スタートアップから大企業まで幅広い顧客層の獲得を可能にした。

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