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制度・プログラム事例

ANA デジタル・デザイン・ラボ(DD-Lab)

ラボ・研究所 運営中
制度・プログラム概要
運営企業
ANAホールディングス
種別
ラボ・研究所
開始年
2016年
状態
運営中
主な成果
avatarin
公式サイト
www.ana.co.jp/group/innovation

History & Evolution

2016-04

ANAホールディングス内に「デジタル・デザイン・ラボ(DD-Lab)」設立

ANAホールディングス傘下の半自治組織として発足。LCC・ドローン・宇宙・アバターの4領域で「破壊的イノベーション」を掲げる

2018

avatarin プロジェクトの本格始動

DD-Lab 内で構想された遠隔操作ロボット事業 avatar in プロジェクトが本格化

2020

avatarin 株式会社をスピンアウト

DD-Lab から生まれた avatarin が独立企業として法人化

2021

「Da Vinci Camp(ダ・ヴィンチ・キャンプ)」開始

全社員からアイデアを公募する年次ビジネスコンテストを開始

2022

未来創造室へ統合・進化

DD-Lab、Innovation & KAIZEN 部、MaaS 推進部と統合され「未来創造室」が新設。Da Vinci Camp 採択案件は未来創造室で事業化を進める

概要

ANA デジタル・デザイン・ラボ(DD-Lab) は、 ANAホールディングス が2016年4月に設立した「破壊的イノベーション」専従組織である。航空運送業という極めて保守的かつ「安全第一」が絶対視される業界において、半自治組織として位置づけられ、本業の枠を超えた新規事業に挑戦してきた。

avatar in(アバターイン) など実際にスピンアウトに至った事例を生み、2022年には未来創造室へ統合・進化。日本の大企業における出島戦略の代表例の一つである。

詳細

「攻めのスピード経営」のために必要だった出島

ANA が DD-Lab を設立した背景には、 「安全運航」と「攻めの新規事業」という相反する要請 をどう両立させるかという課題があった。航空運送業は失敗が人命に直結する産業であり、リスクテイクが組織文化として抑制されている。一方で、LCC(格安航空会社)の台頭やコロナ禍による事業環境の激変に対応するには、本業の延長線上にない「破壊的イノベーション」が必要だった。

ANA の経営陣が選んだのは、 「中期経営計画の中に半自治の出島組織を置く」 という設計だった。本業の安全運航文化を維持しながら、DD-Lab には別の評価軸とスピード感を許容する。これにより「安全」と「挑戦」を組織レベルで両立させた。

4領域への戦略的絞り込み

DD-Lab が当初掲げた領域は LCC・ドローン・宇宙・アバター の4つだった。これらは一見バラバラに見えるが、共通するのは 「ANA がやる意味がある」 という条件である。

  • LCC : 既存のフルサービスキャリア事業との共食い(カニバリゼーション)リスクがあるが、市場として確実に成長するため、ANA 自身が主導しなければ他社に取られる
  • ドローン : 「空を運ぶ」というコアコンピタンスの延長。低空域の物流・点検・撮影サービスへの応用
  • 宇宙 : 「次世代の空」へのフロンティア。サブオービタル・成層圏ビジネス・宇宙旅行などの長期視点
  • アバター : 物理的に移動せずとも「そこに居る」体験を提供する。航空業の根本価値(人と人を繋ぐ)の再定義

絞り込みは、リソースを散漫にしないための工夫であると同時に、 社内に対して「なぜこの領域なのか」を説明可能にする ための工夫でもある。

avatarin というスピンアウト成功例

DD-Lab の最大の成果の一つが avatarin(アバターイン) である。遠隔操作ロボット技術を活用して「物理的に移動せずに別の場所に存在する体験」を提供するこのサービスは、DD-Lab 内のプロジェクトとして構想され、2020年に独立企業としてスピンアウトした。

avatarin の意義は単なる事業成功ではない。 「DD-Lab で生まれた事業が独立企業として羽ばたいた」 という事実が、社内の他の挑戦者に対して「ここで頑張れば本当に独立できる」という心理的な励ましを与えた点にある。出島組織のもっとも大きな価値は、こうした成功の連鎖にある。

未来創造室への統合と進化

2022年、ANA は組織再編を行い、DD-Lab を 未来創造室 へと統合した。未来創造室は DD-Lab に加え、Innovation & KAIZEN 部、MaaS 推進部を統合した組織であり、新規事業創出機能を一本化する形となった。

同じ時期に開始された 「Da Vinci Camp(ダ・ヴィンチ・キャンプ)」 は、ANA 全社員からアイデアを年次公募するビジネスコンテストである。採択された案件は未来創造室の中で事業化検証が進められる。これにより、トップダウンの戦略領域選定(DD-Lab 流)とボトムアップのアイデア発掘(Da Vinci Camp)を両輪で回す体制が整った。

学べること

  • 「安全第一」の業界こそ出島戦略が必要 : リスクテイクが抑制されている業界ほど、本業ラインから切り離した半自治組織が威力を発揮する。本業の安全文化を守りながら挑戦を可能にする設計が肝。
  • 領域絞り込みは社内説明可能性のために必要 : 「何でもやる」では社内の納得を得られない。「なぜこの領域なのか」を語れる絞り込みが、リソース投資の継続性を生む。
  • スピンアウトを成功させると組織全体が変わる : avatarin のような明確な成功例は、社内の他の挑戦者に対する最強のメッセージになる。「ここから本当に羽ばたける」という事実が、優秀な人材を引き寄せる。

関連項目

参考文献・公式リンク

成功の鍵

1

半自治組織としての出島設計

航空運送業という「安全第一」「失敗が許されない」業界において、本業ラインから切り離した半自治組織を作ることで、リスクテイクと挑戦を可能にした

2

4領域への絞り込みと変革

LCC・ドローン・宇宙・アバターという「ANA 本体ではやりにくいが ANA だからこそやる意味がある」領域に絞り込むことで、リソース集中と社内納得感を両立

3

社員ボトムアップの仕組み化

Da Vinci Camp により、現場社員のアイデアを年次で吸い上げる仕組みを構築。トップダウンとボトムアップを両輪で回すことで、組織全体のイノベーション体質を醸成

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